ウォルグリーン、新型コロナウイルスで利益が急減【20年3-5月期決算】

 | 2020年07月21日 17:55

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス (NASDAQ:WBA)はアメリカの薬局の最大手です。

売上の75%はアメリカの薬局事業(ウォルグリーン)から得ている他、米国外での薬局事業(ブーツ)や医薬品の卸売事業(アライアンス)を展開しています。

2020年3-5月の決算が先日発表されましたが、かなり悪かったです。買収などの特別な支出を差し引いても、アナリストの利益予想を大きく下回る決算となってしまいました。

2010年代後半からどうにも調子が悪いです。アマゾンがオンラインで薬局のピルバックを2018年に買収して医薬品宅配サービスを開始して以来、薬局にもオンライン化の波が来ているのか、実店舗の薬局は苦しい戦いを強いられています。

その上、新型コロナウイルスの流行が、対面販売中心のウォルグリーンに重くのしかかったようです。

この記事のポイント

  • ウォルグリーンの決算は売上はアナリスト予想を上回ったものの、利益は大幅に予想を下回った。
  • 利益は赤字に転落した他、買収などの一時的な特別な支出を除いた調整後利益でもアナリスト予想を下回った。
  • 自社株買いは停止したが、配当は増やすことが発表れた。45年連続で増配が決まった。

実は、この企業の株は2010年代半ばまでは、S&P500のリターンを上回るリターンを上げていました。

しかし、大量店舗を生かしてライバル店よりも低コストで提供していたビジネスの強みも、なかなか新型コロナウイルスがもたらした実店舗離れと、ユーザのオンラインの利便性にはかなわないようです。

ウォルグリーンもオンライン販売に力を入れはじめていますが、今後もしばらく苦しい戦いを強いられそうです。

2020年第3四半期結果/h2



ウォルグリーンの2020年3-5月期(第3四半期)の決算は、アナリスト予想を下回る結果になってしまいました。

  • 一株利益:マイナス1.95ドルで、アナリスト予想を2.80ドル下回る。
  • 調整後一株利益:0.83ドルで、アナリスト予想を0.39ドル下回る(前年比-43.4%、コロナの影響は0.61-0.65ドル)。
  • 収益:346.4億ドルで、予想を3.1億ドル上回る(前年比+0.1%)。