YUTA | 2020年07月27日 14:31
コカ・コーラ (NYSE:KO)の決算が発表されました。2020年4-6月は世界中の多くのレストランやスラジアムが新型コロナウイルスの影響で閉鎖されていたため、業績はかなり低迷しました。
ただし、アナリストたちが事前に予想ほど業績は悪化せず、株価は決算発表後に上昇しています。
また、コカ・コーラのCEOは「先行きはかなり不透明だが4-6月期がもっとも困難な時期だったと後で分かるだろう」と発言しており、最悪期は脱したと認識を示しました。
4月から6月にかけて世界中の都市で少しずつ規制が解除され、コカ・コーラの販売本数は回復基調にあります。また、コロナの再流行が見られる地域でも、2-4月ほどの業績は落ち込んでいないようです。
この記事のポイント
コカ・コーラ株は、今の米国株では珍しく割高感があまりない銘柄だと思います。
短期で高いリターンは望めませんが、今なら妥当な株価で約3.5%の配当が手に入るので、守りを固めたい投資家には最悪期を脱したコカ・コーラはそこそこ良い投資機会になっている気がします。
コカ・コーラの業績は前年と比べると著しく悪化しました。
単位:10億ドル | 1Q20 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | 7.15 | -28% |
営業収益 | 1.98 | -34% |
営業利益率 | 28% | – |
純利益 | 1.78 | -32% |
売上や利益のグラフを見ても、今期は大きく低迷していることがわかります。
上のグラフを見ても今期の低迷はわかりますが、よりはっきりと低迷を具合を見るために、買収した製品や為替の影響を取り除いた「オーガニックセールス(既存製品売上)」の成長率を見てみたいと思います。
コカ・コーラのオーガニックセールス成長率は普通は一桁半ばで安定していますが、今期はマイナス26%と著しく低迷しました。新型コロナウイルスの都市封鎖で、レストラン・映画館・スタジアムなどの売上が減った影響が大きく響いたようです。
それでも、幸いだったのはアナリストの事前予想ほどは悪化しなかったことです。業績が予想を超えたことで、投資家は株高で反応しました。
この決算で重要な点は、大きな低迷が見られた4月から業績は回復し、既に最悪期を脱したとコカ・コーラのトップが考えていることが明らかになった点です。
決算発表でのCEOの主な発言
4月から6月にかけて回復し、6月はおよそ前年に比べて10%減少のところまで来たというのは、バンク・オブ・アメリカやJPモルガンのカード利用金額でも見られた傾向です。
過去のパンデミックを振り返ると、高い確率で秋以降に第2波が来るようなのですが、それでも全世界での同時都市封鎖を回避できれば、確かにコカ・コーラが言うように4-6月で最悪期を脱した可能性もあります。
今回の決算の結果を受けて、「コカ・コーラ株は買いなのか、そうではないのか」を考えていたのですが、短期での高いリターンは狙えないものの投資対象としてはそれほど悪くなさそうです。
財務諸表を見て電卓をたたいても、2020年7月時点のコカ・コーラの株価は妥当な価格がついているように見えます。
もともとコカ・コーラはそれほど大きく下落する銘柄ではありませんが、他の米国株で割高になっているものが多いことを考えると、もし市場全体で下落することがあっても、他の銘柄よりも下落幅が小さく済む可能性が高いです。
加えて、コカ・コーラの配当利回りは2020年7月時点で約3.5%もあり、しかも58年連続して配当を増やしている連続増配銘柄なので、長期的に勝手に配当が増えてくれる期待もできそうです。
(※ただし、今のコカ・コーラの株価は低い金利に支えられているので、格付け悪化や金利上昇に弱い点には注意です。)
トレンドに乗ったIT銘柄のように短期でリターンを狙える銘柄ではありませんが、長期的に保有できる銘柄を探している人や、守りを固めて安定してリターンを得たい人には、今のコカ・コーラは選択肢としてアリだと思います。
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