マイクロソフト予想超え決算でも株下落。クラウド成長率鈍化が原因か【20年4-6月期】

 | 2020年07月30日 15:13

マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)の2020年第4四半期(4-6月期)決算が発表されました。利益・収益も予想以上の出来でしたが、詳しく見ると内容は良くなかったです。

市場の投資家も何か気になる点があると見たようで、決算発表後に株価は2-3%下落しました。

個人的には営業利益の成長率の鈍化がまず目につきます。その原因になっていそうな、クラウド・コンピューティング(Azure)の成長率の大きな鈍化も同じように気になります。

マイクロソフトの株価は現在の業績だけで計算するとかなり割高で、将来のクラウド・コンピューティングの収益増加をかなり織り込んでいると考えているのですが、その大事なAzureの成長率の鈍化が早まったことを、投資家が嫌った可能性はあります。

この記事のポイント

  • マイクロソフトの決算は、利益・収益ともに事前のアナリスト予想を上回った。
  • 売上の成長率は維持しているが、営業利益の成長率がかなり鈍化している。利益率が高いクラウドが不調で、利益率が低いPCやゲーム機などが売上を補った模様。
  • 投資家は将来クラウドが力強く成長することを期待してマイクロソフト株が高くても買っている。クラウドの成長率鈍化は、こうした投資家に若干の株価の軌道修正をさせた。

2020年4-6月期決算/h2

マイクロソフトは売上も収益も予想を上回る結果でした。この点は、良かったと思います。

  • 一株利益:1.46ドルで、予想を0.09ドル上回る。
  • 収益:380.3億ドルで、予想を14.8億ドル上回る(前年比+12.8%)。
単位:10億ドル 20Q4 前年比
収益 38.0 13%
営業利益 13.4 8%
営業利益率 35% -2%
純利益 11.2 -15%
純利益率 29% -10%

売上成長率の推移を見てみても、今までと同じように前年比+13%で成長していてコロナの影響を感じさせない数字です。