Visaの決済金額で見えた、アメリカでの消費回復【20年4-6月決算】

 | 2020年07月30日 16:10

Visaの2020年4-6月期(20年3Q)の決算は、あまり良くなかったです。収益は前年比マイナス17%で落ち込み、アナリストの予想も下回る結果でした。

ただし、Visaは既に最悪期を脱した可能性があり、これから買っても良い企業だと思います。

Visaはアメリカでの収益の割合が大きい企業ですが、アメリカの決済金額は6月中旬から前年比プラスで推移しています。7月中旬から下旬でやや回復の勢いは衰えましたが、それでも7月の決済金額は一桁後半の前年比プラス成長を維持しているようです。

アメリカでは実店舗での消費がゆっくりと戻っていることに加えて、ネット決済やネットショッピング経由でVisaを使っている様子が見られます。

この記事のポイント

  • 4-6月期のVisaは収益マイナス17%、一株利益マイナス23%で大きくて低迷した。利益は予想に届かなかった。
  • ただし、Visaの稼ぎ頭のアメリカでは、決済金額は6月中旬から前年比でプラスに推移している。
  • 7月のアメリカでのカードの決済総額は中旬から下旬にかけてやや勢いが弱まったが、前年比で一桁台のプラス成長を遂げている。

2020年4-6月決算/h2

Visaの業績はいつもは安定しているのですが、今期ばかりは一株利益はマイナス23%、収益はマイナス17%と大きく落ち込みました。

  • 調整後一株利益:1.06ドルで、予想を0.02ドル上回る(前年比マイナス23%)。
  • 収益:48.4億ドルで、予想を0.1億ドル下回る(前年比マイナス17.1%)
単位:10億ドル 3Q20 前年比
収益 5.9 -17%
営業利益 3.1 -23%
純利益 2.3 -23%
調整後一株利益 1.06 -23%

上の表を見ても、前年比マイナス20%の業績が並んでいるので低迷していたことがわかりますが、グラフにすると一目瞭然です。