アップル好決算も、期待のサービス売上は成長鈍化【20年4-6月決算】

 | 2020年08月05日 16:36

アップル (NASDAQ:AAPL)の2020年4-6月期(Q3)決算は、予想を上回る結果でした。株式市場もアップルの好決算を好感して、+6%以上の上昇をしています。

しかし、冷静に考えるとアップルの株は既に割高です。1年前から18%しか一株利益が増えていないのに、株価は84%上昇しています。

アップルが2019年からサブスクリプション(定額制)ビジネスを展開したことで、安定収入を期待した投資家はアップル株の評価を次々と高めていきました。しかし、実際にはまだサービス以外の収益が大部分を占めており、成長に力を入れているにも関わらずサービス収益の成長が鈍化している点は気がかりです。

この記事のポイント

  • アップルの4-6月期決算は、利益・収益ともに予想を大上回る良い結果だった。決算発表後に投資家は+6%以上の株高で歓迎した。
  • 好調の要因は、リモートワークやオンライ授業の需要増加を取り込んだiPadとMac、さらに新型の低価格iPhoneの非サービス売上だった。
  • 一方で「アップルはサービスの企業のなる」と宣言して力を入れているサービス収入は前年+15%と高い伸びだが成長率は1年間通じて低下傾向にある。
  • 2019年以降、アップルはサービス企業の安定収入を期待されて株高になっていたが、サービスはそれほどまだ伸びてない。

アップルの株高の背景には、米国株全般と同様に「世の中の金余り」があると思います。

この金余りの状況を生み出しているアメリカの金融・財政政策はしばらく続くのでアップルの株高もしばらく続くと思いますが、今の株価を考えるとそれほど積極的に投資する銘柄でもない気がしています。

2020年4-6月期/h2

2020年4-6月のアップルは、利益・収益ともにアナリスト予想を上回りました。前年比で見ても、利益・収益とも10%を超える成長をしており、かなり良い内容だったと思います。

  • 一株利益:2.58ドルで、予想を0.51ドル上回る(前年比+18%)。
  • 収益:596.9億ドルで、予想を71.3億ドル上回る(前年比+11%)。
  • iPhone売上:264.2億ドルで予想を上回る。(予想は220億ドル)
  • サービス売上:131.6億ドルで予想を上回る。(予想は131.3億ドル)
単位B:10億ドル 20Q3 前年比
収益 $59.7B +11%
営業利益 $13.1B +13%
純利益 $11.3B +12%
一株利益 $2.6 +18%

最近のアップルの売上は一桁のプラス成長か、マイナス成長が多かったのですが、久しぶりの二桁成長を遂げています。4-6月は新型コロナウイルスで世界の景気が大きく低迷していたはずなのですが、アップルの業績はそれを感じさせない内容でした。