YUTA | 2020年08月05日 16:56
2020年4-6月期(第2四半期)アマゾン (NASDAQ:AMZN)の決算は、文句なしに良かったです。
新型コロナウイルスをきっかけにして、ネットショップでの買い物需要が急増して、売上は前年比で40%も増加しました。アマゾンとしては2018年前半以来の久々の高い成長率になりました。
今回の決算で、個人的に重要だと思った点はネットショッピングの需要は4-6月通じて衰えなかったこと、アマゾンはこの強い需要がしばらく続くと考えていることです。
この記事のポイント
アマゾンの株は割高だと思います。数ヶ月で銘柄をスイッチしていくようなタイプの投資家で、有望な投資先がアマゾン以外に見つかっている場合には、一部の株を売って資金を別に移すのも悪い考えではありません。
ただし、売る場合でもアマゾンは強い需要は続くと見ているようなので、まだ焦って全株売却する必要はなさそうです。
私の場合は、クラウドコンピューティングに期待してアマゾンとマイクロソフトは長期的に保有することを考えている上に、他に有望な投資先もなかなか見つけられていないので、しばらくはアマゾン株を保有し続ける予定です。
今期のアマゾンの決算は、利益も収益も事前のアナリスト予想を大きく上回る好決算でした。
強いて言うなら、クラウドコンピューティングAWSの成長が予想を下回ったことですが、その失点がかすんでみえるほど主力のネットショッピンビジネスが好調でした。
ネットショッピングの好調を受けて、2018年前半以来久々に、売上成長率は40%を超えました。
単位:10億ドル | 2Q20 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | 88.9 | 40% |
営業利益 | 5.8 | 89% |
純利益 | 5.2 | 100% |
調整後一株利益 | 10.30 | 97% |
今期の好調は新型コロナウイルスの流行で需要が強まったネットショッピングだと既にお話していますが、部門別の数字でネットショッピングの強さを確認しておきましょう。
アマゾンの部門名
6つの部門のうち、「オンラインストア」と「マーケットプレイス」がネットショッピングに相当し、これは全社の7割以上の売上を占める主要ビジネスになっています。
今期はこの2つの部門の業績が特に好調でした。
部門別売上(10億ドル) | 売上 | 構成比 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
オンラインストア | 45.9 | 52% | 48% |
実店舗 | 3.8 | 4% | -13% |
マーケットプレイス | 18.2 | 20% | 52% |
サブスクリプション | 6.0 | 7% | 29% |
AWS | 10.8 | 12% | 29% |
その他(広告収入など) | 4.2 | 5% | 41% |
合計 | 88.9 | 100% | 21% |
以下のグラフで前期までの売上成長率を比較すると、今期の「オンラインストア」と「マーケットプレイス」がどれだけ好調だったかがわかります。
AWS・サブスクリプション・広告などのサービス売上は、わずかに成長に減速感が見られますが、それでも依然として高い成長率を維持しています。
クラウドサービスの成長率はわずかに低下
少し心配な材料があるとすれば、今までアマゾンのビジネスの中では高い成長を続けてきたクラウド・コンピューティングAWSに少し息切れ感が出てきていることです。
クラウド・コンピューティングの売上減少はライバルのマイクロソフトにも見られました。
クラウド・コンピューティングの主な顧客は企業ですが、先行きの見えない世の中で企業がIT投資を減らしている様子が透けてみえます。
今後も企業のコンピュータは閉鎖されたコンピュータールームからクラウド中心に移ることは確かだと思いますが、その流れは不況を受けて業界全体でやや減速しているのかもしれません。
今回の決算でも、新型コロナウイルスについてのコメントが数多くきかれたので、それらのコメントをここでまとめておきます。
新型コロナウイルスの影響
この中で、特に重要だと思ったのは「4-6月を通じてネットショッピングの強い需要が続いた点(経済活動が再開された6月後半でも需要は下がらなかった)」と、アマゾンが「需要が強い状態が続くと考えていること」の2点です。
アマゾン株は割高にも見えますが、これらのプラスの要因の2点は株主に来期の期待も抱かせる内容でした。
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