アメリカの雇用、7月末から8月上旬にやや改善傾向も。

 | 2020年08月11日 15:26

先日、7月のアメリカの企業は景気が良かったものの、雇用の増加にかなり消極的だったという記事を書きました。

しかし、この記事を書いてからアメリカの雇用に関する最新のデータがいくつか発表され、景色の見え方もわずかに変わってきたので、状況を今一度整理しようと思います。

7月は確かに前月に比べると雇用の増加がかなり緩やかになったようですが、懸念していたほど悪い状況ではなかったようです。週ごとに変化を見たときには、7月中旬から確かに新規失業者も一時的に増えていましたが、8月に入ってから新規失業者数も再び減少しているようです。

この記事のポイント

  • 7月のアメリカは、6月に比べるとたしかに雇用の回復が緩やかになったが予想されたほどの減速ではなかった。また、8月に入ってから再加速する兆しが見られる。
  • 新型コロナウイルスの拡大が雇用に与えている影響が強い。7月中旬にアメリカでは感染再拡大が見られたが、最近は落ち着いてきている。この傾向が続くなら、8月中旬から後半は感染拡大も緩やかになると同時に、雇用の伸びも増加するはず。
  • 一方で、まだまだ歴史的な水準で失業率は高く、政府や中央銀行の支援の手を緩める段階ではない。株式市場は、支援を期待して上昇してきたので、手が緩まると株価が下げる恐れがある。

7月の雇用増加は予想ほど悪化せず、8月は新規失業者も減少/h2

8月7日に発表されたアメリカ政府発表の雇用統計では、7月は予想されたほど悪化しませんでした。

非農業部門の雇用増加数(7月)

  • エコノミスト予想:前月結果(479.1万人増)から大幅減少の148万人増。
  • 結果:176.3万人増で、予想ほど雇用増加が減速せず。

もっと最近の雇用状況を把握するために毎週集計される新規失業保険の申請数も追いかけてみます。

 

以下の新規失業保険申請件数のグラフを見ると、たしかに7月中旬から下旬にかけて失業者数は増加傾向にあったのですが、7月最終週の8月1日までの1週間は失業者が再び減り始めています。