YUTA | 2020年08月11日 15:27
少し前にフェイスブック (NASDAQ:FB)の決算が発表されていたので、振り返っておきたいと思います。
4-6月期は収益も利益の成長率は前年に比べて大きく悪化しましたが、予想を上回る内容でした。新型コロナウイルスの影響で多くの企業が広告費を減らすと悲観的な予想が広がっていましたが、予想ほど悪くなかったようです。
新型コロナウイルスの感染拡大防止で自宅待機の指示が出されている期間、世界中の個人や企業は積極的にフェイスブック社のアプリを使ったようで、利用者も予想を超えて伸びています。
この記事のポイント
フェイスブック株に関しては、2020年8月時点で高くもなく安くもなく、ほとんど適正価格で落ち着いていると思います。
デジタル広告業界で圧倒的な存在感がある企業なのですが、プライバシーやヘイトスピーチへの対応で近年は利益が圧迫されて投資家が敬遠しているだけでなく、世の中の人々の支持があまりない企業にも見えます。
そのためアップルのように人気が過熱して株価が急上昇するタイプの銘柄ではありませんが、保有して数年後たってから、気づいたらそこそこなリターンが出るタイプの株になっていると思います。
4-6月のフェイスブックは、予想よりもずっと良かったです。
確かに新型コロナウイルスの影響で企業がフェイスブックへの広告を減らしたため、前年からの成長率は収益・利益ともに落ち込みましたが、予想を大きく上回る決算でした。
上のどの項目をみても、事前の予想を上回る結果を出しています。
単位:10億ドル | 2Q20 | 前年比 |
---|---|---|
収益 | $18.7B | +11% |
営業収益 | +6.0B | +29% |
純利益 | $5.2B | +98% |
一株利益 | $1.8 | +98% |
収益成長率のグラフの変化を見ると、さすがに成長率は低下しています。
ただし、フェイスブックも他の企業と同じように2020年4月に業績を底を打って、5-6月には業績が回復したと言います。
決算発表時のコメント
大手企業の広告出稿停止の影響
「4月から5-6月は業績が回復傾向にあったのに、なんで7-9期の業績は回復傾向が止まって4-6月と同じペースでしか成長しないの?」と思われるかも知れません。
この原因についてはいくつか説明がありましたが、比較的インパクトが大きいのは大手企業が一時的にフェイスブック広告から手を引いていることです。
2020年7月以降に大手企業が、相次いでフェイスブックのヘイトスピーチ対策が不十分なことを理由に、広告出稿取り下げると宣言しています。
スターバックス、コカ・コーラ、ユニリーバなどの大手企業が当面フェイスブックへの広告を取り下げることを決めたようで、以下のForbesの記事を見る限り、これらの大手企業の広告出稿停止の影響は売上の5%程度だろうと見られています。
関連記事:広告ボイコット500社超のフェイスブック、それでも「余裕」の理由は(forbes)
なので、本来ならもう少し7-9月の業績は前年比で回復するはずだったのですが、大手企業の広告停止で成長が押し下げられて、4-6月と同程度の成長率になるようです。
ともあれ、フェイスブックも無事に今期で業績が底を打ったのは、良いニュースでした。広告業界は景気に連動して収益が変化するので、これからは経済がどれだけ早く回復するかも、フェイスブックの業績にとって重要な要素になりそうです。
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