いつもと異なる2020年のリセッションの2つの特徴。

 | 2020年08月11日 15:27

2020年3月からアメリカは、景気が悪化する景気後退期(リセッション)に入りました。

まだそれから数ヶ月しか経っていませんが、今回のリセッションはいつもの不況とは少し傾向が違う点がいくつか見られます。この記事では、通常のリセッションとはちょっと違うなと感じてて、投資にインパクトが大きいものを2つほどあげていきます。

1つ目の特徴は「景気後退なのに株安の時期がかなり短かった」こと、2つ目の特徴は「通常の不況時に見られる企業の借金削減の動きがまだまだ見られない」ことです。

この記事のポイント

  • 新型コロナウイルスが原因の2020年の景気後退はいつもと違う特徴があった。
  • まず、株安の時期がとても短かった。株を割安で買おうとしていた投資家や、高配当を再投資する投資家にとっては待望の株安だったのに、割安な時期は短期間で終わった。
  • 通常のリセッション時に起こるような企業の借金の減少がまだ見られない。むしろ借金しやすい環境で、これから社債はますます増える可能性もある。FRBが社債を買い取っているなら社債バブルは弾けないが、それでもアメリカが低成長か高インフレにつながる恐れがある。

株安の時期が極めて短かった/h2



ゴールドマン・サックス(NYSE:GS)が集計したデータでは、過去200年の間に株価が20%下がって景気後退入りした場合には平均で50ヶ月以上、バブル崩壊や金融危機が起こった場合には100ヶ月以上も株価が元に戻らないというデータがあります。

タイプ毎に異なる弱気相場の規模

タイプ 株価回復までの期間(月) 平均下落率(%)
バブル崩壊
&金融危機
111ヶ月 -57%
普通の景気後退 50ヶ月 -31%
一時的な弱気相場
(景気後退なし)
11ヶ月 -29%

しかし、今回は景気後退入りしたのにわずか半年でS&P500は、最高値まで1-2%のところまで元の株価に戻りつつあります。