次のアメリカの景気拡大はそれほど長くないかも知れない。

 | 2020年08月18日 14:38

歴史的にはパンデミックは第2波が来ることが多いので、アメリカでも今年の秋から冬にかけてコロナウイルスが再度流行する恐れはあります。

再流行した場合の株価下落にも備えて、私は2020年4月からずっと一定の現金を残しながら投資をしているのですが、なんど再流行が来ようと長い目で見れば、結局はアメリカ経済はコロナ前の水準を超える力強い景気に戻ると信じています。

なので、時間をかけて手元の現金は全て株にする予定ですが、次の景気拡大期(や株価の上昇期)は2010年代とは違って10年ももたずに、数年で短く終わってしまうかも知れないとも思っています。

本来なら不況時には非効率な企業が潰れて経済がスリムになって再スタートされるはずなのですが、2020年はFRBの金融緩和のおかげで、非効率な企業の整理はそれほど進んでいません。

このままでは非効率な企業が存続して成長の伸びしろも少ないため、景気拡大も2010年代ほど力強くならない恐れがあります。

この記事のポイント

  • 景気後退では企業は債務負担を削減したり、不健全な会社が整理されたりして、再度成長できる姿になるメリットがある。
  • しかし2020年の景気後退では、中央銀行FRBがアメリカ企業が潰れないように企業がお金を借りやすくしたおかげで株価は急回復したが、社債は増え、非効率な企業が淘汰されずに存続し続けている。
  • 20年末から21年にかけて企業の倒産や社債規模の縮小などの整理が起こらない場合には、次の景気拡大期は数年で終わり、より大きな株価下落が起こる恐れがある。

この記事では「今週」「今月」のような短期的なことではなく、今度数年から10年のアメリカの景気について書いています。

次の景気拡大の期間が短いかもしれないからと言って、今から株の購入を控えるのはせっかく得られるはずのリターンを取り逃がすことになるのでオススメしません。

 

ただ、通常の景気拡大期のように何年も100%株だけでほったらかして投資できるほど、楽観的な環境でもなさそうです。

悪いことばかりではないリセッション/h2

2019年にアメリカ企業の社債の規模がかなり大きく膨らんでいることがわかったとき、「次のリセッション(景気後退・不況)は、社債のバブルが弾けて起こることもありえるのかな」と思っていました。

リセッションは投資家にとって、悪いことばかりではありません。不況なら株が安く買えるだけでなく、無理な借金を抱えて非効率な経営をしていた企業が倒れ、経済が再びスタートを切る絶好のチャンスです。

伸び切ったバネでも縮めば再度伸びるように、株価も経済も行き過ぎた場合にはリセッションで企業や社債が整理されれば、再び経済は成長軌道に乗ることができます。

実際に、リーマン・ショックでは多くの企業が潰れる痛みを味わった後、中央銀行FRBの金融緩和のおかげもあって、10年近く景気が拡大して株価は3倍にもなりました。