現時点で見えている株・債権・ゴールド・不動産への投資のリスク

 | 2020年09月08日 13:21

他の投資家の声を聞く限り、2019年から2020年はかなり簡単に資産を増やせてる印象があります。

しかし、個人的には2019年も2020年も本当に投資が難しいとよく感じます。

将来の資産額が大きくなるように、今の手元の資金を適切な資産に配分するのが投資だと思っていますが、どの資産も長期的に見るとリスクまみれに見えるからです。

「投資とはリスクの見返りにリターンを得るのだから、リスクのない資産をなんてない。それが嫌なら投資をやめて、現金を持てばいい」と思われるかも知れませんが、それほど簡単な話でもなさそうです。

2020年から世界中が景気対策で現金の供給を増やしたため、現金ですらインフレで著しく価値を失うかも知れないリスクがあります。つまり、現金で持つことのリスクも考慮に入れて、相対的にリスク・リターンが良い資産を探す必要があります。

この記事では、2020年9月の時点で各資産に見え隠れている将来のリスクを列挙していこうと思います。

各資産のリスクのまとめ

  • 【米国株】:ハイテク銘柄を中心にやや割高。金融緩和のおかげで高い価格が維持されているが、もしも過去の10年の平均割高感(PER)まで株価が落ちるなら、理論上は35%近い株の下落が起こる。
  • 【米国債】:FRBの金融緩和のおかげで、あらゆる資産の中で最も割高。1980年代から価格が上昇し続けて、ついに利回りは限界のゼロに限りなく近づいた。今後価格の下落を始めたら、40年ぶりの長期トレンド転換が始まって下落が続く恐れがある。
  • 【社債】:FRBが買い支えているため、利回りが歴史的な低水準にまで買われて割高な状態にある。また、アメリカ企業の社債残高は対GDP比で過去最高。
  • 【ゴールド・不動産】:ゴールドは世の中のインフレ期待を受けて最高値圏にあるが、景気悪化の影響を受けた不動産はまだ最高値圏ではない。インフレが想定以上に進行しなかった場合にはゴールドも不動産も下落するが、株や国債よりはまだいくらかリスクは低そう。
  • 【現金】:世界中の国が赤字覚悟で景気対策をしたため、現金の価値が減るインフレがいまだかつてなく起こりやすい土壌ができている。

だいぶ悲観的な内容が並びましたが、2020年9月時点の私の考えではFRBが金融緩和を続けるかぎりは(&金融緩和をやめてもしばらくは)、米国株は上昇するとも思っています。

なのでしばらくは米国株は少しずつ買い増しをするつもりですが、金融緩和が終わった先の世界でどのような資産にいくら配分にするかは、だいぶ慎重に考えてから行動に移すことになりそうです。

高い価格がついている米国株/h2

2020年の米国株は一言でいうと割高です。それでも、コロナショックにもめげすに最高値を更新し続けたのは、FRBの金融緩和が株価を支えたためです。

米国株のS&P500は通常なら企業の利益の15倍程度の株価(PER15倍)がついているのですが、2020年9月現在では企業利益の23.7倍がつくまで株価が高値になっています。