ジョンソン&ジョンソン、予想を上回る好決算もワクチン試験中断で株下落【20年7-9月期決算】

 | 2020年10月14日 14:48

2020年7-9月期の決算シーズンの先陣を切る形で、ジョンソン&ジョンソン (NYSE:JNJ)の決算発表がありました。

業績は予想以上によかったのですが、新型コロナウイルスのワクチンの最終試験で体調不調になった参加者が見つかり、試験が一時中断したとのニュースを受けて、この日の株価は下げてしまっています。

この記事のポイント

  • 7-9月期は一株利益・収益ともにアナリストの事前予想を上回る結果をあげた。また、2020年通期の業績も予想を引き上げる好決算だった。
  • 予想以上の決算につながった要因は、新型コロナウイルスで売上が大きく落ち込んでいた医療機器部門で、業績の回復の傾向が見られたこと。
  • しかし、新型コロナウイルスのワクチンの最終試験の最中に原因不明の病が見られて試験が中断したニュースが報じられて、好決算にも関わらず株価は下げた。

ワクチン試験の一時中断は残念なニュースですが、そもそもジョンソン&ジョンソンは新型コロナウイルスのワクチンで儲ける意思はないと表明しているので、このニュースが業績に与える影響は限定的です。

それよりも新型コロナウイルスの売上低迷から回復の兆候が見られているのは、良い傾向だなと感じました。

20年7-9月期は予想を超えの決算/h2

ジョンソン&ジョンソンの2020年7-9月期の決算を見ていきます。

  • (調整後)一株利益:$2.20で、予想を$0.22上回る(前年比+3.5%)。
  • 収益:$21.08Bで、予想を$0.93B上回る。(前年比+1.7%)
単位:10億ドル 3Q20 前年比
収益 21.1 1.7%
(調整後)純利益 5.9 3.5%
(調整後)一株利益 2.2 3.8%

この会社は、成長率こそ高くないものの本当に業績が安定しています。過去数年の決算を見返しても、めったなことではアナリスト予想を下回りません。