YUTA | 2020年10月20日 14:14
IBM (NYSE:IBM)は長年の業績の低迷で、割安に放置されているIT銘柄です。いつこの低迷を抜け出すかを知るために、このブログでは毎回の決算を確認しています。
毎回恒例のことですので、今期も2020年7-9月のIBMの決算の内容をまず振り返ります。
しかし、IBM株を既に保有していたり、購入を検討している投資家の最大の関心は違うところにあるはずなので、決算内容はサラッとすませて、すぐに本題の「IBMは買いか否か」に入りたいと思います。
結論は多分「買い」です。あくまでも中・長期投資家向けのアイディアですが、株価上昇までじっくり待てるならIBMは既に買って良い株になったと思います。
この記事のポイント
スピンオフのニュースに注目が集まっているのは、今回IBMから別会社に切り離される部門が長年業績が低迷していた部門だからです。
言い方は悪いですが、今回のスピンオフでお荷物になっている部門を切り捨てて身軽になったら、再び成長路線に戻ることができると考えています。
2020年7-9月期のIBMの業績を振り返ります。
結果は、アナリストの予想通りでしたが、相変わらず収益は前年比でマイナス成長が続いています。
上のグラフでは18年以降の四半期の成績を図にしましたが、調べる期間を広げて年単位で売上を追いかけると2011年から約10年間も売上が低迷していることがわかります。
IBM長期低迷の理由はクラウドの流行
IBMが低迷を始めた2010年代は、アマゾンやマイクロソフトのクラウドサービスが台頭してきた時期とも重なります。
かつてのIBMは大型コンピュータとそのコンピュータで使うソフトウェアを開発して大企業に販売し、それらのコンピュータを保守・運用すること儲けてきました。
しかし、クラウドの登場でIBMの大型コンピュータが売れなくなり、保守・運用の機会も減ったことで長年業績が低迷していました。
長年冴えなかったIBMですが、今後は再び成長軌道に戻る希望の光が見えてきました。
きっかけは先週10月8日に発表された、ITインフラサービス部門の別会社化(スピンオフ)です。
この部門は大企業が持っているコンピュータの保守・運用などをして稼ぐ部門で、売上規模もそこそこ大きいのですが、先程お話したように世の中の他社のクラウドコンピュータの売上成長の悪影響を受けて、長年じりじりとマイナス成長が続いていました。
一方で、スピンオフ後に残る新生IBMは、クラウドとAIソフトウェアなどの成長分野が大半を占める企業になると言います。
IBMのクラウドは業界の中では存在感がかなり薄いですが、それでもIBMのクラウド関連売上は前年比で19%成長していて、この企業の成長のエンジンです。
この決算で発表された資料によると、スピンオフされる部門の年間売上は$19B(190億ドル)で、全社の25%分に相当します。
新生IBMはスピンオフした25%分だけ身軽になって、全社に占めるクラウド売上の割合が大きくなるので、2021年以降は売上成長がプラスに転じる可能性が十分あります。
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