今週のトピック:FRBの動向、株式市場は上昇するなかで想定される3つの逆風

 | 2021年12月13日 09:24

  • FRBを含む主要中央銀行による政策決定

  • 直近は良いニュースがあったものの、オミクロン株に関するヘッドライン・リスクは依然として市場を脅かす可能性

  • 今週は水曜日に終わるFRBの政策決定会合後に新たな情報が出るまで、市場は様子見姿勢となるかもしれない。利上げは想定されていないものの、先週金曜日に発表された米国の消費者物価指数が1982年以来の高位な年次上昇を示したことから、金融緩和の縮小ペースを早める必要性があるとみている。

    パウエル総裁がFRBの次の一手をどのように表現するかに注目が集まっている。その内容によって、先週金曜日に最高値を更新したS&P 500種指数、NASDAQ、ダウ工業株平均の上昇基調が続くのかどうかがわかるだろう。

    パウエル総裁が金融緩和の縮小ペースを加速させると明確なメッセージがあった場合には、株式市場の急落が予想される。一方で過去にあったように、FRBは慎重な姿勢を崩さない、よりハト派な内容となった場合には、上昇基調が続くとみられる。

    株式市場の下落圧力となりうる3つの逆風/h2
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    約40年以来で最大のインフレ率となった以外にも、南アフリカでオミクロン株の感染者数が急増しているとの報道があった中で、S&P 500種指数は最高値を更新した。なお、オミクロン株による重篤化は限定的であるとされている。

    株式市場の上昇をみていると、高位なインフレ率はすでに市場に織り込まれているように映る。しかし、過去約40年で最大のインフレ率、金融緩和の縮小見通し、オミクロン株のサプライズの3つは市場の下落圧力となりうるため、依然として警戒が必要だ。