銀:過去7年間で最悪の損失。バイデン氏のインフラ案件が頓挫すればさらに悪化

 | 2021年12月22日 02:54

米国では、電気自動車の導入やクリーン・エネルギーへの移行が叫ばれているが、銀の年次リターンはこの7年間で最悪となっている。

また、バイデン大統領の1兆7500億ドルのインフラ計画が、民主党の反主流派上院議員Joe Manchin議員の反対で頓挫すれば、銀の産業用用途は新年になってもあまり改善しない可能性がある。銀は電気自動車やソーラー・パネルの製造に欠かせない部品の一つであり、バイデン大統領の「Build-Back-Better」計画では、両者の購入者に手厚い税制優遇措置を設けている。

銀は1オンスの価値が金の80分の1であることから、しばしば「金の貧しい従兄弟」と呼ばれている。

しかし、2021年が終わろうとしている今、打撃を受けているのは銀の価格だけではない。今年の銀の下落は金の2.5倍で、2014年以来最悪のものとなっている。

今週月曜日のニューヨークのCOMEXで取引される銀価格は1オンス22.27ドルで、2020年12月の終値26.47ドルから年間で約16%下落している。一方、金先物は年率6%強の下落に留まっている。

また、COMEX銀の年初来の損失は、19.5%下落した2014年以来の下落幅である。