1月の総括:利上げが迫っていることを受けて株式は下落、市場の注目はFRBに集中

 | 2022年02月03日 09:18

米国連邦準備制度理事会(FRB)と呼ばれる巨大な組織が目を覚まし、今の経済状況を気にかけている。コロナ禍によって引き起こされたインフレとそれがエネルギー価格と世界のサプライチェーンに及ぼす影響を懸念しているのである。米国の前年同期比の消費者物価指数は12月に7%に達した。

つまり少なくとも現時点では、パンデミックを乗り切るために政策金利をゼロに引き下げた後、2年ぶりに利上げを行うかもしれないというFRBの動向に注意する必要がある。

賢い投資家は、利上げが始まる前からすでに近々起きるものと考えて行動に移しているが、利上げの過程で様々な波及効果が生じる可能性があるため、いずれにしてもFRBの動きをより長期的に注視し続けることになる。1月26日にパウエル議長が「最初の利上げはおそらく3月になるだろう」と語り、「インフレ率が下がるまでFRBは対応し続ける」と発言し、多くの投資家が面食らう展開となった。

実際、市場全体がインフレ加速に本格的に注目し始めたのは、2021年11月に非常に泡沫的な米雇用統計が出た直後である。11月8日から、Russell 2000、S&P Midcap 400、S&P 600 Small Cap Indexなど、多くの株価指数が最高値を迎えていた。時価総額で最大の暗号資産であるビットコインは、11月10日に68,925ドルとピークに達していた。

それでも、米国内経済全体としては、パンデミックの逆風に耐えることができたようだ。しかし、副作用もあった。

  • 消費者物価の上昇、特に食料品、自動車、建材、その他の生活必需品の価格上昇だ。さらに、住宅価格も上昇した。

  • 原油l価格は1バレル90ドルに達し、米国の一部の地域ではガソリン価格が1ガロン4ドルに迫っている。

  • 特に2020年と2021年には、異常な低金利に後押しされ、株式市場が熱狂した。

株式市場は2021に栄華を誇ったが、足元はようやく一息つき、2022年1月には米国の主要株価指数がすべて下落に転じた。