暗号資産が「まだ」急上昇しない3つの理由

 | 2022年03月07日 22:44

当記事はInvesting.comの独占記事 

  • 新たな資産クラス

  • 弱気トレンドが継続 

  • 1. 政府はブロックチェーン技術は好きだが、暗号資産は嫌い

  • 2. 昨年11月の高値から弱気へと反転

  • 3. 安全資産に資金が流れる展開

  • 暗号資産が底打ちした可能性、戦争と地政学的緊張で強気の導火線が再点火する今後の反発に期待

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナを自国の西部に過ぎないと考える歴史的理由を数週間にわたって説明した後、2月24日、20万人近い軍隊にウクライナへの侵攻を命じた。米国、欧州、そしてウクライナ自身は、この東欧の国を主権的な領土と考えている。

この侵攻は、世界の政府、国民、そして金融市場を圧迫する一連の地政学的リスクを引き起こし、最近の脅威の中で最も憂慮すべきものとなっている。

市場関係者の中には、比較的新しい暗号資産は、インフレに対するヘッジと地政学的混乱の際の安全資産として使用できると考える人もいる。2022年3月初旬、インフレが猛威を振るい、世界の政治情勢が悪化し、再び世界大戦が起こる可能性が1945年以来最も高いレベルにある中、なぜ暗号資産は低迷しているままなのだろうか。

新たな資産クラス/h2

ビットコインが登場したのは2010年だが、暗号資産の市場の歴史はさらに新しいものである。デジタル通貨が大衆の関心を集めたのは、過去5年間のことに過ぎない。

2017年後半のビットコイン先物の導入は、有力な暗号資産を主流にし、価格を1トークンあたり2万ドル超に押し上げた。しかし、このトークンは極めて不安定な状況の中で高値を更新していた。

2010年、ビットコインは1トークンあたり5セントで取引されていた。2013年後半には1,135.45ドルの高値まで上昇し、その後、2017年に爆発的に上昇するまで1,000ドルを下回っていた。ここ数年、年間のレンジは信じられないようなものばかりである。

  • 2017年のレンジは762.38ドルから19,862ドル

  • 2018年のレンジは3,158.10ドルから17,224.62ドル

  • 2019年のレンジ3,355.25ドルから13,844.30ドル

  • 2020年のレンジ3,925.27ドルから29,301.78ドル

  • 2021年のレンジ28,957.79ドルから68,906.48ドル

これまで2022年の暗号資産のレンジは、33,076.69ドルから47,937.17ドルの間であった。ビットコインの2022年の安値は、安値更新のパターンを続けており、高値更新の可能性がある2022年の期間は残り75%となっている。

地政学的リスクは高まっているものの、3つの要因が2022年3月上旬までの暗号資産価値の重しとなっている。しかし、高値更新の可能性は高まっている。 

弱気トレンドが継続/h2

11月24日、CMEビットコイン先物は過去最高値の69,355ドルを記録した。その後、上昇力は完全に使い果たしたような値動きだ。