今週のトピック:株式市場はポジティブなセンチメントを維持するも、引き続きリスクやボラティリティに注意

 | 2022年04月03日 21:23

  • 4月の株式市場は一般的には安定的に推移

  • 直近のヘッドラインに伴う、ボラティリティの上昇は続く見通し

  • ロシア・ウクライナ情勢、FRBの金融政策に注目

  • 過去を振り返ると、季節的には4月は株式市場にとって最良の月であるが、今年は引き続き逆風が強く、市場のボラティリティが高止まりする可能性が高い。

    ウクライナ軍はキエフ周辺の全地域を奪還したと発表しているが、それでもなお株式市場は引き続き、ロシア・ウクライナ情勢を注意深く見守ることになるであろう。また、当該2カ国間の紛争によって、原油を含む様々なコモディティ価格は押し上げられており、世界的な供給不足を引き起こしたコロナ禍によるロックダウンの間に始まったインフレに拍車をかけている。

    また、欧米で新型インフルエンザの流行が懸念される中、中国最大の都市である上海では、コロナ禍によるロックダウン期間が延長され、流行が拡大しつつある。米国では、パンデミック対策としての景気刺激策を撤廃してきたことのつけが回ってきたようだ。さらに米国史上最も緩和的な政策を終了した後、金融政策はより積極的に引き締める方向に転換し、米連邦準備制度理事会(FRB)は数年ぶりに利上げを行った。これだけでは不十分であるかのように、米国2年債と10年債の利回りが逆転する逆イールド状態がみられ、来るべき景気後退の可能性が高まっているという話も出てきている。米国債の長短金利差は縮小し、一時は反転した。

    株式市場:2022年第1四半期は下落して終了。第2四半期は上昇してスタート/h2

    投資家が重大なリスクを無視しているとしても、事実として米国の主要株価指数は2022年第1四半期に低調なパフォーマンスに転じ、パンデミック開始以来最悪となった。ダウ工業株30種平均は3ヶ月間で4.6%下落し、S&P500は5%値下がりした。

    しかし、3月は乱高下しながらも、投資家は株価を上昇させることができた。第二次世界大戦以降、S&P500における4月の平均上昇率は1.7%であり、ウクライナ情勢や米国の金融政策転換が下落圧力となる可能性はあるものの、4月はプラスに転じる可能性があるかもしれない。