金利上昇を利用する2つの金融ETF

 | 2022年04月20日 18:57

今期の決算は、金利上昇を背景に、銀行などの金融株が市場の注目を浴びている。これらの銘柄の動向は、当然、金融株を対象とした上場投資信託(ETF)の価格に影響を与える。

JPMorgan Chase (NYSE:JPM)が先週発表した、第1四半期の決算内容は予想を下回り、投資家の眉をひそめさせた。利益は82億8000万ドルで、前年同期比42%減となった。Charles Schwab (NYSE:SCHW) とSierra Bancorp (NASDAQ:BSRR) の2行も、アナリストの予想EPSを下回った。

一方、 Bank of America (NYSE:BAC)の株価 は、4月18日に予想を上回る第1四半期決算を発表し、4%以上急騰した。EPSは80セントとアナリストの予想を上回った。

EPSが市場のコンセンサスを上回ったその他の銀行には、 Citigroup (NYSE:C)、 Goldman Sachs (NYSE:GS)、 Morgan Stanley (NYSE:MS)、State Street (NYSE:STT)が含まれている。そして最近では Bank of New York Mellon (NYSE:BKも加わった。

ベンチマークである米国10年債利回りは3%に迫り、数年来の高水準で推移している。このような環境下では、金融株が注目される。これらの金融機関は、イールド・カーブの短期ゾーンで資金を借り、長期ゾーンで融資を行う。利回りが上昇してイールド・カーブがスティープ化すると、預金と貸付金の金利スプレッドは通常、銀行に有利となり、純利鞘が改善される。

したがって、多くの投資家は、まちまちの業績内容にもかかわらず、金融株に対して楽観的な見方をしている。先日iShares U.S. Financial Services ETF (NYSE:IYG) を紹介したが、このETFは今年に入ってから8.7%の下落を記録している。