今週の見通し:軟調な決算発表を受けて株式市場は低迷する中、FRBの追加的な利上げを予想

 | 2022年05月01日 21:36

  • 全体的に超大型株の企業決算が軟調

  • 先週金曜日のS&P500は2020年6月以来の大きな下げ幅、月次ではコロナ禍以降で最悪の下落

  • NASDAQは2008年以来最悪の月次下落率

  • 今週予想される米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げと、急騰する インフレ率を抑制するための 金融引き締めに関するさらなる示唆を株式市場の強気筋は待ち望んでいる。

    先週の記事では、市場が「軌道に乗る」かどうかは、先週発表された主要な大手半導体企業の好決算にかかっている、と書いた。問題の核心は過去40年間で最も高いインフレ率と2006年以来最も速い引き締めペースにあるとみているので、市場が上昇するようなことは起こらないだろうと分析したが、その通りになった。そのため、たとえ企業業績が好調であったとしても、もはやそれは重要ではない。

    そして実際、先週金曜日には米国の主要4指数Dow Jones、S&P 500、NASDAQ、Russell 2000はすべて大幅に下落して、{{44336}|変動性の大きい}}週を終えた。NASDAQ100はテクノロジー・セクターの売りにより4.47%下落し、S&P500の3.63%の下落をアンダーパフォームした。主要株価指数の下落としては2020年6月以来最も大きな1日となった。

    S&P500の暴落は月末にかけて拡大し、SPXにとってパンデミック開始以来最悪の月となった。NASDAQは、2008年の金融危機以来、最悪の4月の月次パフォーマンスとなった。

    ハイテク大手による弱気なガイダンスが、市場全体の売りを誘発した。Amazon (NASDAQ:AMZN)は、木曜日の引け後に発表した四半期決算で、事業売上が四半期で3%減少したことがわかり、金曜日に14%の値下がりとなった。売上の伸びが鈍る中で、最近行ってきた雇用の拡大と物流倉庫の建設が、不必要な経費増を招いたことを明らかにした。

    S&Pのセクター間パフォーマンスを比較すると、インフレと金利が先週金曜日の主要テーマであったことは明らかだ。

    テクノロジーは、金曜日のNASDAQコンポジットのパフォーマンスと同程度で、全体で3番目に悪いパフォーマンスとなった。{1084244|通信サービス}}は、テクノロジーの次に悪い。景気が悪くなると消費者が出費を抑えるため、一般消費財セクターの株は、5.08%下落し、セクター別下落率のトップとなった。

    不動産セクターは、4.82%の低下で、2番目に悪いパフォーマンスとなった。しかし、これはインフレ率が上がっている環境下では異常なことだと思われる。不動産セクターは物価上昇による恩恵を受ける傾向があるため、投資家は長い間、同セクターをインフレ・ヘッジと考えてきた。しかし住宅価格が爆発的に上昇する場合は、必ずしもそうとは言えないのかもしれない

    ハイテク・セクターの混乱の中、週次ベースでは同セクターは2番目に良いパフォーマンスとなり、わずか1.16%の下落にとどまった。週次のベストパフォーマーは素材で0.83%の下落、そしてエネルギーが1.38%の下落となった。この2つのセクターは、ハイテク・グロース株と負の相関を持つバリュー・セクターであり、経済が加速する中でバリュー・セクターが上昇し、グロース株から投資資金を吸い上げる傾向があるため、週次でのパフォーマンス比較は有用な指標とはいえないかもしれない。

    NASDAQ100の月次リターンは13.5%の下落で、主要指数の中で最もパフォーマンスが悪い指数となった。小型株指数も先週金曜日に2.81%下落し、週次では4.07%、月次では9.95%それぞれ低下している。

    この2つの指数は、現在弱気相場に入っている唯一の主要株価指数でもある。

    Russell 2000は11月8日の過去最高値から23.79%下落し、現在2020年12月以来の安値水準にある。