FRBウォッチ:FOMC議事要旨で示された政策の柔軟性により、相対的に安心感が向上

 | 2022年05月30日 20:33

先週、5月初旬に行われたFOMC会合の議事要旨が発表された後にみられた安堵のラリーは、悪いニュースを覚悟していた投資家の単純思考を反映したものだ。

当議事要旨では、政策立案者の政策スタンスが依然として記事 で、同氏は先週こう書いている。

「金融引き締めの程度が大きければ、景気後退と失業率の上昇という形でハード・ランディングするのは必至である。したがって、ソフト・ランディングのシナリオは、希望的観測に過ぎない」。

同氏が可能性が高いと考えるシナリオの一つは、FRBが実際にインフレ率を低下させるためのコスト(犠牲)をみて、「弱腰になる」というものだ。このシナリオにおけるコストとは、高いインフレと安定しないインフレ期待が伴う不況、スタグフレーションの発生だ。

ECBの政策路線/h2

一方、欧州中央銀行(ECB)は、来年まで債券ポートフォリオの縮小を開始しないことを示唆し、FRBの政策方針との大きな乖離を示していた。

この発言は、オランダの中央銀行の超タカ派のトップであるKlaas Knot氏によるものだ。彼は先週ダボスで開催された世界経済フォーラムで次のように述べた。

「このことは、今後しばらくの間、我々が大規模なバランス・シートを持つことを意味する」。

ユーロ圏の中央銀行は、通貨統合の特異なハイブリッドな性質にとらわれている。単一通貨と単一金融政策がありながら、19の政府がそれぞれ国債を発行している。

パンデミック時には、これらすべての国が大量の国債を売却し、ECBがそのほとんどを購入した。ECBが国債を買い取るということは、加盟国のうち経済的に弱い国の国債をECBが手放すのは難しい。

例えばイタリアの政府債務は現在GDPの150%に達しており、EUは3年連続で60%という公式的な制限の達成は不可能と考えているため、当制限の適用を停止している。

このため、ECBの利上げの手段は限られており、Knot氏は7月に50bpsの利上げを行うことを求めている一人だ。コンセンサスは7月、9月、12月に25bpsの利上げとみられているため、これはまだ異常値である。

ユーロ圏の4月のインフレ率は7.5%という速報値から7.4%に下方修正されたが、エコノミストは5月も7.7%と過去最高を更新すると予想しており、ECBに行動を促すことになりそうだ。

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