今夏の天然ガスの貯蔵量を予測するのは困難

 | 2022年06月02日 20:36

この夏、天然ガスの貯蔵量はどうなるだろうか。

生産量が予想を下回ったこと、天候不順、あるいは欧州が米国産液化天然ガス(LNG)に依存していること、あるいはこれら3つの要因が重なったことから、米国の天然ガス貯蔵量は5年平均を下回って推移しており、今シーズンの在庫の推移を推測することはこれ以上ないほど困難な状況だ。

この点については、今のところ2つの考え方がある。

ひとつは、ロンドンのコンサルタント会社Energy Aspectsが提唱するもので、特に米国南部で気温が暑くなっていることから、すでに今シーズンの注入量のピークである890億立方フィート(89bcf)に達したのではないか、というものである。もしそうだとすれば、この6年間で初めて3桁の注入量がない夏となる。

この考えは、Naturalgasintel.comに掲載されたもので、アジアでの夏の需要増に伴う輸出の増加や、欧州でのロシアの天然ガス供給の代替が急がれているため、米国市場には在庫補充のための余地がほとんどないと論じている。

Energy Aspectsは、ニューヨーク・ヘンリー・ハブの天然ガス先物のサマー・ストリップは、注入のインセンティブを提供できていないと述べている。例えば、天然ガス先物の6月限は満期時に10月限を上回り、7月限もカーブの前部に移動して以来、プレミアムで取引されている。