Daily Commentary - 01月13日2014年

 | 2014年01月13日 21:27

概観
  • ほぼ全面安!  金曜日の非農業部門雇用者数によって、USDは幅広く押し下げられた。今朝は、CAD(USD以上の低下)を除くすべてのG10通貨に対して、USDは低下した(あらゆるケースにおいてかなりの低下)。水曜日のADP統計が予想を上回り、雇用者数に対する予想を上方修正する者も現れ、USDは今回の発表を前にして上げていただけに、今回の雇用者数の数値は特に市場にとって意外な結果となった。この数値が発表されると、ボラティリティーは驚異的に上昇し、これらの数値を見込んだ取引のリスクを浮き彫りにしている。
  • FOMCは、毎月、債券買入の縮小を続けるかどうかに関する決定は、データが、「労働市場環境が持続的に改善しているということと、インフレ率が長期的目標に向けて回帰しているという委員会の見通し」を支持するかどうかに掛かっている。では、このニュースは労働市場環境がもはや改善途上にはないということを意味しているのだろうか?セントルイス連銀総裁のブラード氏は、金曜日、FRBは成長の加速を予測しており、失業率をさらに押し下げるだろうとの考えを明らかにした。同氏は、同数値は通常修正されることを理由に、「1ヵ月の数値に対して反応する気がしない」と述べた。その上、彼は、非農業部門雇用者数における期待外れの小幅な上昇よりもむしろ、失業率の大幅な低下に焦点を当てた。何人かのアナリストの中には、失業率の低下は、雇用の増加ではなく、労働参加率の低下に大きく影響を受けることから、期待外れの指標の別のかたちとして見る傾向があるが、ブラード氏は、「人口統計学的傾向を考えれば、今日の労働力参加率はほぼ正常である」と主張した。こうした見方がFOMCの考えを代表するものであるとすれば、さらなる量的緩和の縮小もほぼ確実である。
  • ブラード氏の発言は、FOMCの考え方に近いと見られているウォールストリートジャーナルのFRB記者であるジョン・ヒルゼンラース氏の見方と一致するものである。雇用統計後の彼の記事は、退任するバーナンキ議長が、FOMCは、会議ごとに1ヵ月100億ドルずつ債券買入の縮小を続けることを強く示唆したと伝え、ヒルゼンラース氏は、「今回の雇用統計は、貿易と消費者支出における予想よりも好調な経済データが数週間続き、失業率の予想外の低下に直面した後だけに、おそらく天候の影響を反映したものであり、これによって予測が変更されることはないだろう」と述べた。私の予測は、1月28日~29日に行われる次のFOMC会議でさらなる量的緩和の縮小が実施され、USDはこれによりある程度支持されるというものである。
  • その場合、大きな問題は、金曜日のレポートの効果が消滅し、市場が見通しの変更を無視し始めるのにどの程度の時間が掛かるのかということである。数値が市場を落胆させた直近6回を見る限り、確かなパターンは見当たらない。そのうち4回については、EUR/USDが、数値発表の1週間後に上昇し、そのうち2回は下落している。また2週間後には、3回については上昇しており、3回については下落している。まるで博打のようだ。FOMC会議まで約2週間あることを考えると、EUR/USDは今週上昇し、その後来週には低下すると予想されるが、これは単なる推測であり、過去のパフォーマンスからは、何ら確かな手がかりは得られない。木曜日の米国のCPIは、期待外れの雇用統計を踏まえると、新たな重要性を担うことになる。予想されている通り、米国のインフレ率がわずかに上昇すれば、その場合は量的緩和の縮小予想が復活する可能性があり、USDも回復し始める可能性がある。
  • CADは外れ値を示しており、カナダの金曜日の雇用統計は米国よりもさらに悪いものであったことを受けて下落した。失業率は、6.9%から7.2%へと上昇し、5ヵ月ぶりの高水準となり(変わらずとの予想であった)、雇用者数は、4万6千人の減少となり(予想は1万4千人の増加)、さらに悪いことに、カナダ統計局が、天候による影響は全くないと述べた。我々の本命であるGBP/CAD取引は上々で、今のところ方針を変更する理由は何ら見当たらない。一方、USD/JPYの低下は目覚ましいものがあった-最近、東京株が下落した後でさえ、ここ数回は上昇しており、本日は、東京株が上昇するなか、下落している。相関性が崩れ始めているのだろうか?それどころか、JPYは、今のところ、日本に対するセンチメントよりも、米国に対するセンチメントに歩調を合わせているようだ。USD/JPYは、今年、4日間、105のハードルで取り引きされたが、まだこの水準を超えるには至っていない。
  • 月曜日のカレンダーは比較的閑散としており、予定されているのは、イタリアの11月の鉱工業生産指数のみである。同指数は、10月の+0.5%から+0.4%への鈍化を示すと予想される。となれば、焦点は、アトランタ連銀総裁のデニス・ロックハート氏による発言で、同総裁は、米国の景気見通しについて発言するだろう。彼が、金曜日の雇用統計の数値によっても見方を変えることのなかったブラード氏に同調するのかどうかが注目される。もしそうならば、USDは私が予測している以上に速く回復し始める可能性がある。ひとりの人物は、1つのデータ点に過ぎないが、2つのデータ点になれば、線を描けるというものだ。
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