Daily Commentary - 05月10日2013年

 | 2013年05月10日 17:16

概観

ついにやった!為替市場はついに、USD/JPYにおいて100円の大台を突破した。失業保険申請件数がまたもや予想よりも良かったことを受けてUSDの上昇は始まったが、その後の上昇のきっかけとなったものが正確に何であったかを特定することは難しく、何か特定のイベントや声明によって引き起こされた動きというよりも、群集心理的な動きであると考えられる。USDに対する積極的な雰囲気を作ったのは、量的緩和の終焉の始まりが間近に迫っている可能性があることを示唆したFRB高官による発言であった。フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁(トンプソン/ロイターの、ハト派かタカ派かを判定する評価において5点中の5を獲得)のように注目すべきタカ派が常にタカ派的色彩が強いことは言うまでもないが、重要な点はハト派的なシカゴ連銀のエヴァンス総裁(同判定基準において正反対に位置する1に格付けされている)が心変わりしたかどうかという点であった。彼は「労働市場は完全に改善している」と述べたが、この改善が夏の間、持続するかどうかを見極めたいとしていた。別の見方をすれば、たとえ彼がもう3~4ヵ月間、非農業部門雇用者数が最近の水準に留まることを確認したいと考えていたとしても、FRBは量的緩和を後退させ始める可能性があるということである。

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USDにおいて最大の上げ幅を記録したのは対JPYであったが、USDは我々が追跡している全ての通貨に対して上昇し、水曜日の動きとは反対のものとなった。その他の多くの中央銀行(たとえば、韓国、ベトナム、スリランカは昨晩利下げを実施した)が金融緩和を実施しており、忘れてはならないのは、日本は金融緩和が緒に就いたばかりであり、向こう2年間については、FRBがこの4年間で実施したよりもさらに大幅な金融緩和を実施する計画があるという点である。金融緩和を鈍化されている世界中のその他の中央銀行が、景気底上げのために、インフレ率の低下によって提供された機会を利用し続けるなか、米国は最終的に刺激策から撤退すると市場が予想しているとおり、結果的に、USDは上昇傾向を示すと予想される。

本日の焦点は、FRBにおける圧倒的な決定者であり、緩やかなハト派(a2に格付け)であるバーナンキ議長による発言であろう。カンザスシティー連銀のジョージ総裁は、もう一人のタカ派的FRBメンバーであるが(5点中4点に格付け)、同総裁は、ジャクソンホールにおいて、経済に関する発言を行う予定で、エバンス氏ももう一度スピーチを行う予定である。G7財務相・中央銀行総裁会議が、本日夕刻ロンドンにおいて開催される予定で、米国は、今のところ、成長率の拡大と景気収縮度合の低下が適切であろうと、欧州に対して主張すると予想される。ドイツのジョイブレ財務相は、そのことを察し始めており、彼は昨日、EU政府が、リセッションに対抗するために「対策を講じる余地は十分にある」と語った。

マーケット

EUR/USD