Daily Commentary - 11月26日2013年

 | 2013年11月26日 18:03

THE BIG PICTURE
  • USDは昨晩、全般的に低下し、対GBP、対NOK、対CHFで上昇したが、その他のG10の5通貨(JPY、CAD、SEK、AUD、NZD)に対しては下落した。EUR/USDは概ね変わらずであった。USD安は、米国の軟調な指標に起因するものであった。仕掛住宅販売とダラス連銀製造業指数はいずれも予想を下回った。仕掛住宅販売の遅れの一部は、10月の政府閉鎖によるものとみられることから、12月30日に発表される次のデータでは、回復が見られる可能性もある。しかし、それに先立ち、11月の中古住宅販売(11月19日)が発表され、仕掛住宅販売が、中古住宅販売に1ヵ月ほど先行する傾向があることから、同数値は弱含む可能性がある。
  • 月曜日の欧州の開場時の価格に比べ、ブレントは、2.1%前後(2.26ドル)の上昇となり、WTIは0.4%(0.38ドル)の上昇となった。昨日、イランとの暫定協定によって、同国からの供給が増加する可能性が浮上したことを受けて、開場時ブレントは急激に低下したが、欧州の開場時の価格が、この日の安値となり、その後は堅調に回復した。銀と金も原油と共に上昇した。しかし、通貨に対する影響はまちまちとなった。NOKは下落し続け、CADは今朝上昇した。私には、ブレントにおける回復は行き過ぎであるように見受けられる。ブレントは、昨年、数回しか経験していない水準にまで戻しており、ブレント/WTIのスプレッドは、記録的高水準にある。ブレントはある程度戻すと予想され、それと共にNOKはさらに低下するだろう。金と銀も、本日は、同調して下落する可能性がある。 水曜日に米国のエネルギー情報局の原油在庫に関するレポートの発表を控え、WTIは支持されている。市場は、在庫が、10週間ぶりの減少となる30万バレルの減少を予想している。しかし、緩やかな動きが、昨日の軟調な製造業指数を背景に、原油にそれほど注目が集まっていないことを示唆している。したがって、原油はカナダの最大の輸出品目であるため、CADもこれらの水準で脆弱になるとみられる。
  • 本日の指標は、イタリアの11月の消費者信頼感指数で始まり、同指数は、97.3から97.5へと若干上昇すると予想される。米国では、住宅指数の発表が予定されており、昨日の軟調な仕掛住宅販売によるネガティブな印象を相殺する可能性があるため、USDが支持されるだろう。9月と10月の建築許可データが発表される。許可件数は、直近のデータである8月の92万6千件に対し、10月は93万件が予想される。住宅価格は、堅調な上昇を示すと予想される。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は、8月と同様の前月比0.9%の上昇を示すと予想され、9月のFHFA価格指数は、前月の前月比+0.3%から加速し、前月比0.4%の上昇を示すと予想される。S&P/ケース・シラー指数には、高価格住宅も含まれ、低価格住宅よりもこちらの方が速く回復している。11月のコンフェレンス・ボード消費者信頼感指数は、71.2から72.5への上昇が予想され、米国の11月のリッチモンド連銀製造業指数は、1から4への上昇が予想され、いずれもUSDに対してプラスに働くだろう。
  • 火曜日は、イングランド銀行から2名とECBから2名の発表が予定されている。イングランド銀行総裁のマーク・カーニー氏は、中央銀行のインフレレポートと新たな経済予測について財政委員会で証言する。また、同行のBulley氏は、ロンドンで行われる会議で発言する。カーニー氏は、ハト派的サイドに立つ傾向があるため、彼の証言は、GBPに対して圧力となる可能性がある。ECBのメルシェ氏は、金融と財政の安定性に関して基調講演を行い、ECBのアスムセン氏は、ベルリンでの晩餐会でゲストスピーチを行う。メルシュ氏は最近、ECBには、必要ならば、「景気を流動性で満たすための」方策があると発言した。一方、アスムセン氏は、マイナスの預金金利を設定することもやぶさかではないと発言した。したがって、彼らの本日の発言は、EURに対してネガティブに働く可能性がある。
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