Daily Commentary - 12月11日2013年

 | 2013年12月11日 19:54

THE BIG PICTURE
  • USDは再びまちまちな動きとなり、対SEK、NZD、GBPでは上昇したが、その他のG10通貨のうち5通貨に対しては下落した(対EURでは変わらず)。当然のことだが、東京株式市場ばかりではなく、アジア株式市場が一様に下げるなか、最大の下げ幅となったのはJPYであった。しかし、AUDとCADも対USDで上昇し、これは単なるリスクオフ以上のものであることを示唆した。しかし、米国の立法者が向こう2年間に関する予算折衝で合意に達したことを受けて、USDは、欧州取引時間の早い段階で再び上昇に転じ始めた。これにより、来月、再び政府閉鎖に陥る可能性がなくなったため、USDからリスクプレミアムの一部が剥奪される。これまで議論してきた通り、市場はかなり織り込み済みであるとみられるが、財政上のリスクの低下によって、FRBが月々の債券買入における量的緩和の縮小を始めるのも、より容易になるはずである。ブルームバーグによる先週の世論調査によれば、調査対象となったエコノミストのうち34%が、FRBは今月量的緩和の縮小を開始するとし、26%が1月の会議で開始するとし、40%が3月の会議で開始するとしている。言い換えれば、100%が3月までに開始することを予想していることになる。しかしこれまでのところ、こうした見通しは特にUSDにとってプラスにはなっていない。
  • FF先物レートは依然として安定しており、米国債利回りが昨日さらに低下した(10年物利回りは3bpの下落)ため、USDはこれ以上の金利サポートを受けることはないだろう。一方、欧州の銀行がLTROファンドを返済し、資産品質審査(AQR)の準備に向けて資金調達のために市場に参入しているため、3ヵ月物Euriborは高いまま推移している。同Euriborは、昨晩、12か月ぶりの高水準である0.26%に達したが、これは、USDのレート(0.24%)を若干上回る水準である。ECBが、先週、流動性を改善するためにさらに何等かの行動をとりそうにないことから、圧力が増しているが、年末が近付いているため、これは特に不運なタイミングである。短期のEURレートに対する圧力は、引き続き少なくとも年末までは続く可能性があり、このハードルを超えるまで、EURを十分に支持する可能性がある。金利の上昇とEUR高の組み合わせが、ユーロ圏経済に打撃を与えるため、ECBの委員会メンバーが口先介入以外に何も行わないとすれば、最終的にはECBが、何等かの措置をとると予想される。彼らが流動性の供給に関して何を発言するかということに注意深く耳を傾ける必要がある。
  • 本日注目すべき指標は少ない。ドイツは、11月のCPI確報値を発表するが、予想は、当初速報値と同じである。米国では、唯一週1のMBA住宅ローン申請件数が発表される。オーバーナイトでは、ニュージーランド準備銀行会議が開かれる。同行は、2.50%で金利を据え置くとみられるため、焦点は、決定後に開かれるニュージーランド準備銀行総裁のウィーラー氏の記者会見であり、彼が通貨に関して何を発言するかということであろう(おそらく、NZDは高すぎると発言するとみられ、これが、今朝、NZDが下落した理由であろう)。本日は一日を通して2名の発言者を予定しており、ECBの副総裁であるヴィトル・コンスタンシオ氏が、IMFブックの発表で発言し、イングランド銀行の政策立案者であるマーティン・ウィール氏が、「将来的指針とその効果」について発言する。
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