FOMCを前に綱引き状態

 | 2014年10月24日 09:14

<Market Overview-綱引き状態のマーケット>

23日のグローバル市場はリスク選好優勢の展開に。この日発表された米欧中の各経済指標が総じて市場予想を上回ったことで、世界経済の先行き懸念が一時的に後退。米国株式市場では好調な企業決算も重なり、主要3市場が揃って1%以上上昇する展開となった。主要な欧州株式も総じて堅調に推移。新興国株式は強弱まちまちの展開となった。
良好な指標データと堅調な株式動向を背景に米金利は反発。10年債利回りは一時2.30%目前まで上昇した。2年債利回りも0.40%を視野に入れる展開となった。
「株高+米金利上昇」を背景に、ドル円は107円台後半に密集している一目/基準線&21日MAを尽く突破し、108円台へと再上昇。クロス円も総じて円安優勢の展開となった。一方、ユーロドルは米欧指標データの結果を受け1.26台を中心としたレンジ相場となるも、金融政策の方向性の違いを背景に1.2600トライのムードを残したまま、本日の東京時間を迎えている。
グローバル市場は、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、リスク選好と回避の綱引き状態となっている。10月に入り連邦準備理事会(FRB)サイドよりハト派スタンスの発言が聞かれていることで、米金利の上昇が抑制されていること、直近のリスク回避によりエネルギー価格が低下傾向にあること、株式市場が底打ち感を強め始めていることを考えるなら、FOMCまで綱引きは、若干リスク選好優勢のまま進行するのではないか。

< Today’s Outlook -焦点は米英経済指標>
アジア時間の円相場は、株式にらみの展開となろう。堅調な欧米株式を受け日経平均の反発が期待されることから、円安優勢地合いを想定したい。
焦点は海外時間だろう。日本時間17時30分に7-9月期の英国内総生産(GDP、速報値)が発表される。市場予想(前期比:+0.7%、前年同期比:+3.0%)以上ならば、早期利上げ観測が強まることでポンド相場を押し上げよう。1.6100前後で推移している21日MAトライを想定したい。
23時には9月の米新築住宅販売件数が発表される。こちらは8月よりも低下する見通し(年率換算件数:50.4万件→47.0万件)となっている。5月以降伸びが抑制されており、住宅市場のピークアウトを示す内容となれば、米金利には再び低下圧力が強まろう。外為市場ではドルを売る動きが強まろう。逆に改善傾向を示す内容となれば、ドル買い優勢の展開が継続しよう。株式市場の押し上げ要因ともなることで、ドル円は108.80レベルの短期レジスタンスラインをトライする可能性が高まろう。ユーロドルも1.2600割れをトライする展開を想定したい。ポンドドルは上述した英GDPの内容次第だが、英GDPの下振れと米住宅市場の改善となれば、節目の1.6000を目指す展開となるのではないか。米英指標データが逆の内容となれば、上記の21日MAを突破する展開を想定したい。
Technical analysis highlights
ドル円 
レジスタンス
108.93:リトレースメント76.40%
108.80:短期レジスタンスライン

アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

サポート   
107.95:21日MA
107.64:一目/基準線

グローバル株式が底打ち感を強めていることで、下値は限定的となろう。21日MA&一目/基準線がサポートラインとして意識されるかが焦点となろう。一方、上値トライとなれば、目先の焦点は今年最高値110.09を起点とした短期レジスタンスラインの突破だろう。すぐ上の水準には105.20からのリトレースメント76.40%108.93も控えており、108円後半は重要なレジスタンスゾーンとして意識したい。尚、朝方のオーダー状況だが、108.50上にはストップが観測されている。109.00には厚いオファー、107.50、107.20そして107.00にはビッドがそれぞれ観測されている。