30日の米株式相場は、ギリシャPSI交渉の難航と、ポルトガルの国債利回りの上昇などを背景に小幅安となりました。
NYダウ(↓)は前週末比0.05%安の12653.72、S&P500は同0.25%安の1313.01、ナスダック総合株価指数は同0.16%安の2811.94で引けました。
メルケル首相は、ギリシャの債務減免を巡る銀行との協議が完了していないことなどから、EUサミットでギリシャ支援第2弾が最終決定されることはない、という見解をサミット前に示していました。
EUサミットでは、「新財政協定」」の締結で合意し、ユーロ圏17カ国を中心に違反国にほぼ自動的に制裁を科す財政統合に一歩前進しました。
同協定は、2013年1月発効を目指し、この後は、各国議会で承認を得る形となります。 また、同協定にいは、英国とチェコが不参加を表明しています。
金融セクターは、ゴールドマン・サックスがバンク・オブ・アメリカ(BOA)の投資判断を“buy”から“neutral”に引き下げたことを受けてBOA株が3%下落したことを中心に全般的に軟調に推移しました。
年初来、NYダウは3.6%高、S&P500は4.4%高、ナスダック総合株価指数は7.7%高となっていますが、29日配信のメルマガにも書かせていただきましたように、FOMCの政策金利発表後、異例の低金利を予想外に長期間据え置く見通しを示したことを受けて好感した後は、米国をはじめとした世界経済の展望を巡る悲観的な見方が強まり、利益確定の売りが優勢となっています。
今週は、金曜日に米1月雇用統計を控えていることもあり、慎重な見方が強まっています。 銘柄別では、USスチール株は、セルビアの子会社をセルビア政府に売却したことに伴い、第1四半期に4.0~4.5億ドルの減損を計上する見通しを示したことを受けて、3.9%安となりました。
米電子・電気部材メーカーのトーマス・アンド・べッツ株は、スイスのエンジニアリング大手ABBが低電圧製品の世界最大市場である米国でのシェア拡大のために39億ドルの現金で買収することで合意したことを受けて23%高となりました。
米製薬会社のアミリン・ファーマスーティカルズは、FDA(米食品医薬品局)が同社の糖尿病治療薬Bydureonを承認したことを受けて株価が18%高となりました。
同治療薬でパートナーであるアイルランドのAlkermesのADRは、1.3%安となりました。 米自動車修理チェーンのPep Boys-Manny, Moe & Jackは、PE投資会社のゴアズ・グループが約8.09億ドルで買収することに合意したことを受けて、株価が24%高となりました。
米大手メディアのGannettは、第4四半期決算で、同社のデジタル部門の利益が増加したものの、新聞への広告掲載の減少などによる収益減少などを背景に33%減益となったことが嫌気され、株価が6.9%安となりました。
米オフィス用品流通大手のステープルズは、ゴールドマン・サックスが、紙の使用の長期的な減少が、同社の売上を圧迫し、広い範囲での支出削減が必要になるとの見方を示し、投資判断を“neutral”から“sell”に引き下げたことを受けて、、株価が4.9%安となりました。
Wendy's株は、2012年の北米の既存店売上は2011年を下回るとの展望を示したものの、第4四半期決算が予想通りの内容となったことが好感され3.8%高となりました。
USエアウェイズ・グループ株は、デルタ航空が同社を買収のターゲットとして検討していることが報じられたことを受けて4.2%高となりました。
デルタ株も3.7%高となりました。 米病院用医薬品売却・関連サービスのファーメリカ株は、FTC(米連邦取引委員会)が米医療サービスのオムニケアによる同社の買収は、2大医療看護の合併により、他社の競争力に打撃を与えるとの見方から承認しない姿勢を示したことを受けて、12%安となりました。
オムニケア株は0.3%高となりました。 米エクソン・モービルは、過半数保有していた東燃ゼネラル石油の株式を39.1億ドルで売却したことを受けて、株価が0.4%安となりました。
金先物相場は、前週末比0.1%安の1731.00、原油先物相場は同0.8%安の98.78ドルで引けました。