リスク選好回帰の週となるか

 | 2014年10月20日 09:47

<Market Overview-日米欧株式底入れの兆し>

17日のグローバル市場はリスク選好優勢の展開に。この日発表された米経済指標が総じて市場予想を上回ったことで、米株は反発。米経済先行き懸念の後退は、投資家のリスク許容度を拡大させると同時に、欧州中央銀行(ECB)による緩和政策も合わさり、米株のみならず主要な欧州&新興国株式も総じて堅調に推移した。
堅調なグローバル株式の動向は米金利の上昇を促し、2年債&10年債利回りは共に上昇。「株高+米金利上昇」を背景にドル円は107円を視野に上値トライの展開に。一方、ユーロドルは米欧金融政策の方向性の違いが意識され、1.27ミドル割れの展開となった。
週明け早朝時間はドル高優勢でオープンし、ドル円は107円台へと再上昇。そのまま東京時間を迎えている。
リスク選好トレンド回帰の週となるか、この点が今週の焦点となろう。鍵を握るのはやはり株式市場の動向だが、日米欧ともに底入れの兆しが出ている点は重要だ。米株は、2011年10頃を起点とした長期サポートラインの維持に成功し、且つVIX指数も今年2月頃の水準まで大幅に低下している。今週発表される企業決算と経済指標が総じて強い内容となれば、米株の底入れ感はさらに強まろう。一方、欧州株式はECBによる緩和強化がサポート要因となろう。
そして国内株式も反発地合いを強める可能性が高い。日本経済新聞は18日、約130兆円の公的年金を保有する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内株式の運用比率を12%から25%付近まで引き上げる方針と報道。欧米株式が反発色を強め始めているタイミングでのGPIFの運用比率引き上げは、国内株式のサポート要因となろう。
日米欧の株式が底入れ感を強めれば、円相場は総じて円安トレンド優勢の展開となろう。「株高+米金利反発」を背景に円安ドライバーはドル円となろう。目先の上値焦点は108円台への再上昇だろう。一方、ユーロドルは下値を模索する展開を想定したい。22日(水)の米消費者物価指数(9月、CPI)が上振れれば、米金利の反発をさらに促すと同時に、米欧の金融政策の方向性の違いも意識されることで、ユーロドルはサポートポイント1.2600を視野に下落幅が拡大しよう。テクニカル面に関しては「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」を参照されたい。

< Today’s Outlook -株式にらみの一日>
本日は株式にらみの一日となろう。上述したように国内株式は反発地合いを強める可能性があり、アジア時間より円相場は上値トライの展開を想定したい。
ECBの緩和強化を背景に欧州株が続伸し、サポートラインを維持した米株も続伸となれば、米金利への低下圧力がさらに後退することでドル円は108円台へ、ユーロドルは1.26台へ向けドル高優勢の展開となろう。

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h5 Technical analysis highlights /h5 ドル円 
レジスタンス

108.00:レジスタンスポイント
107.64:基準線(赤ライン)

サポート   
107.00:サポートポイント
106.13:10月17日安値

目先は一目/基準線の 突破が焦点となろう。このラインを突破した場合は108円台への再上昇が焦点に。テクニカル面では21日MA(緑ライン)の攻防が更なるドル高への分岐点となろう。107.50から107.80レベル、そして108.00にはそれぞれ厚いオファーが観測されている。一方、下値は106円台の維持が焦点となろう。106.00にはビッドが観測されている。