焦点は米雇用統計とドル高トレンドの明確化

 | 2015年03月06日 09:20

【マーケットコメント】 -焦点は米雇用統計とドル高トレンドの明確化

ECBイベントを受けた欧州マーケットは、「株高・債券高(金利低下)・ユーロ安」で反応した。筆者は昨日、ECBイベント後のユーロショートカバーを指摘したが、それとは反対の値動きとなった。ECBのQEが想定の範囲内であった点を考えるならば、ユーロドル下落の背景にあるのは、やはり米6月利上げ期待だろう。実際、昨日の米金利は直近の強弱まちまちの米指標データや欧州債利回りの低下圧力を受けて尚、横ばい圏での推移が続いた。6月利上げ観測が再び意識される中でも米株が高値圏を維持している現状も考慮するならば、それに追随し今後米金利がさらに上昇圧力を強める可能性があろう。ドル相場が持続的なトレンドへ向かうかどうか、まずは今晩の雇用統計(2月)で「米株高+金利上昇」がトレンド化するかどうかを確認したい。

本日、最大の焦点は米雇用統計(2月)であることは言うまでもない。直近の米金利の動向を鑑みるに、一時後退していた米6月利上げ観測が再び台頭しつつあることは明白。平均賃金も含め総合的な労働市場の改善傾向が示されれば、米金利への上昇圧力が増すことで、外為市場ではドル高圧力が強まろう。問題は米株の動向だが、直近の株高傾向を鑑みるに素直に株高で反応する可能性があろう。この場合、「米株高+金利上昇」がトレンド化することで、ドル高も持続的なトレンド化へ向けドル高圧力がさらに強まろう。

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逆に総じて市場予想を下回った場合は、2つのシナリオが考えられる。ひとつは6月利上げ懸念の後退による「株高オンリーのリスク選好」。この場合は、ドル&円売り/資源国通貨&新興国通貨買いの展開となろう。ユーロも対ドルでショートカバーの展開を想定したい。もうひとつは米ファンダメンタルズ改善期待の後退によるリスク回避の展開。この場合、外為市場では円買い圧力が強まる一方、資源国通貨や新興国通貨(特に最近不安定化しているトルコリラや政情不安のブラジルレアル)では売り圧力が強まろう。ドル相場は総じてロングを調整する動きが加速するだろうが、ファンダメンタルズの脆弱な新興国通貨では堅調に推移しよう。株安が原油安を誘発すれば、対資源国通貨でも同様の展開となろう。

【テクニカル分析コメント】 -USDJPY、次のターゲットは121.00
レジスタンス
121.00:オファー、上にストップ
120.83:昨年12月23日高値
121.80:オファー
120.50:オファー
120.48:2月11日高値

サポート   
119.50:ビッド、下にストップ
119.27:21日MA(赤ライン)
119.20:ビッド、下にストップ
119.00:ビッド

上値の焦点は120.50レベルの突破へとシフト。このレベルには実需も含めたオファーが観測されている。120.50を完全に突破した場合、次のレジスタンスポイントは、オファーが観測されている120.80レベル(昨年12月23日高値120.83レベル)そして121.00となろう。尚、後者のポイント(121.00)にはオファーと上の水準にストップが置かれている。
一方、下値はNYの終値ベースで120円台を維持できるかが焦点となろう。119円台の攻防へ逆戻りしても、21日MAを維持出来れば、来週以降も上値トライのムードは継続しよう。尚、119.50から119.00にかけては断続的にビッドが並んでいる。