良好なGDPにも底堅い米株、強まるドル先高観

 | 2015年07月31日 15:43

【マーケットコメント】- 良好なGDPにも底堅い米株、強まるドル先高観

4-6月期の米GDP速報値は、1-3月期の景気低迷が一時的な現象であるというイエレンFRBの見通しの正しさを証明した。特に注視すべきは上述した個人消費の伸びだろう。1-3月期の+1.8%から+2.9%へ急伸した背景にあるのは、間違いなく労働市場の持続的な改善だ。先日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、その労働市場の見通しについて上方修正してきた点も考えるならば、来月のグローバル市場は「9月利上げ」を常に意識するフェーズへとシフトしよう。

最大の焦点は、何度も指摘してきた米株の動向だろう。7月以降、米株とドル相場は逆相関(ドル高=株安)から順相関(ドル高=株高)の関係に回帰しつつある。昨日の良好なGDPに対しても特段ネガティブな反応を示さなかった点は、利上げに対する耐性が徐々に強まってきたことを示唆している。よって、来週以降より米株市場におけるこの耐性度合いを見極める日々が続こう。雇用統計をはじめとした重要指標データが9月利上げの可能性を押し上げてなお株高維持となれば、米金利の上昇が同時発生することで、外為市場ではリスク選好のドル高トレンドが形勢されよう。この場合、EUR/USDは1.08ブレイク、USD/JPYは124円後半(=政治的領域)への攻防シフトが想定される。対資源国通貨やファンダメンタルズ面で脆弱性(政治リスク、慢性的な経常赤字と高インフレ)を抱える新興国通貨でもドル相場は上値トライの展開となろう。

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一方、「米株安・金利上昇」となれば一時的なリスク回避のドル高となろう。その後は、株安が米金利の低下圧力を強めることから、外為市場ではドルロングを解消する動きが加速しよう。

【テクニカル分析コメント】- USD/JPY、下限は一目雲/上限はリトレースメント76.40%を想定
レジスタンス
125.00:厚いオファー

124.75上:ストップ
124.57:リトレースメント76.40% 、ピボットR2

サポート   
123.85:ピボットS1
123.80:一目/転換線(緑ライン)
123.50:ビッド、ピボットS2
123.36:一目/雲の下限
123.00:厚いビッド

昨日、7月に入り2回目のリトレースメント76.40%トライとなった。結果は突破に失敗。あらためてこのテクニカルレベルでの上値の重さを再確認した。
このレベルを突破しても6月9日高値124.75を突破しない限り、124円後半はドル売りエリアとして認識しておきたい。
逆に124.75レベルを突破した場合は、その上に観測されているストップを巻き込み、瞬間風速的に125.00を目指す可能性がある。しかし、125円突破にはさらなる良好な米指標データが必要であることから、125.00手前での反落を想定したい。

一方、下値は目先、日足の一目/転換線での攻防を注視。このテクニカルを突破しても直近の動向(27/28の反発と29安値)をあkンげあるならば、雲の上限での攻防を維持する可能性があろう。

日足チャート