ヨーロッパの金融市場はまだアメリカ化されていない?

ヨーロッパの金融市場はまだアメリカ化されていない?

最新情報  | 2019年01月28日 13:22

ヨーロッパの金融市場はまだアメリカ化されていない?

(時価総額で)世界の10大企業のうち8社はアメリカです。
そのため大手の投資家がその他多くの国々の企業よりアメリカ企業の株を好むのは当然のことです。

そこで今回は一つの疑問を投げます

「ヨーロッパの金融市場はアメリカ化されたのか?」

全体像を把握するために、Investing.comは、オンラインのコンテンツマーケティングプラットフォームであるSEMrushと共同で、ヨーロッパの投資家が現地の株よりもアメリカの株を好むかどうかを分析しました。
各国で最も人気のある株式のデータと、キーワードの人気に関するSEMrushのデータを組み合わせる事で、ヨーロッパの投資家の好みを国別にマッピングしました。

その結果、ヨーロッパの小規模国の投資家は一般的にアメリカの株式を好むが、より確立された地元の金融市場を持つ大規模国の投資家は国内投資を好むことが明らかになりました。

内訳は次の通りです。

自国・地元株を支持している国

・ロシア
・ドイツ
・スペイン
・イタリア
・フランス
・ギリシャ
・スウェーデン
・ノルウェー
・フィンランド
・デンマーク
・ポーランド
・トルコ

米国株を支持している国

・イギリス
・スイス
・オランダ
・オーストリア
・ポルトガル
・ベルギー

それ以外の国としてはハンガリー、マケドニア、ウクライナ、ルーマニア、ベラルーシ、ブルガリア、アイスランド、チェコ共和国、セルビア、アイルランド、リトアニア、ラトビア、クロアチア、エストニア、アルバニア、コソボ、キプロス、マルタ、モナコ、スロバキア、リヒテンシュタイン、モルドバ、ボスニアヘルツェゴビナ、モンテネグロ、スロベニアなどもアメリカ株を好む傾向にあります。

「ヨーロッパの大国であるドイツのような国の投資家にとっては、フォルクスワーゲン、バイエル、ドイツ銀行のような自国企業に最も関心を持つ事は理にかなっています」とInvesting.comの米国市場アナリストJesse Cohenは述べ「同じことが、フランス、イタリア、ロシア、スペインのようなヨーロッパのそれぞれ3、4、5、6番目に大きい国々にも当て嵌ります。クロアチア、セルビア、アルバニアなどの東ヨーロッパ諸国などは反対に、ウォール街で取引されている米国株への投資は、取引アプリやオンラインブローカーのおかげで昔に比べはるかに簡単に取引出来るようになっており、好まれる傾向があるようです。」とも付け加えています。

例外として、欧州の第二位の経済大国である英国の投資家たちは地元の投資以上にアメリカの株式を好んでいるようです。彼らは我々の分析トレンドに逆らうような結果を見せました。

この点については主に二つの理由が考えられるとInvesting.comのシニアアナリストClement Thibaultは述べます。

「第一に、文化的に、イギリスとアメリカは歴史的にアメリカとヨーロッパの他の地域よりも似ています。そして第二に、Brexitの不確実性は間違いなくこの傾向の大きな要因であり、英国の投資家が米国の株式に関心を持つことは、英国経済の将来に関する自信の欠如と不確実性の恐れを意味します。」

さらに詳しく調べるためにInvesting.comはヨーロッパ各国の専門家に対し、データで明らかになったこれらの傾向を踏まえて分析をしてもらいました。

Investing.comのドイツの特派員、Robert Zachは次のように述べています。
「Commerzbank、Deutsche Bank、Daimler、Volkswagenなど、多くの有名ブランドが国内で生まれ成長している事もあり、ドイツ人は地元の株式に投資することを好みます。」

スペインの特派員、Sara Busquetsは次のように述べます。
「スペインの市場は安全で信頼性が高いことが証明されているため、Banco Santander(サンタンデール銀行)やTelefonica(テレフォニカ・スペインの大手通信事業者)など、投資家はすでに知られている会社を好むようです。ここにはビッグネームがあるので、海外のアセットを購入する必要性を感じません。」

私たちの分析では、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドが他と比べて特異な市場です。
ヨーロッパの大国では無いにもかかわらず、それぞれの国の投資家は地元の株式を支持しています。

スカンジナビアには、地元に投資家を惹きつける何かがあるのでしょうか。

「比較的高い平均所得、高い税金を基にした福祉のプログラム、強力な労働組合、優れた教育制度、比較的低い失業率で、スカンジナビアに住むことの恩恵は長い間宣伝されてきました」とThibaultアナリストは述べています。

「実際、2018年の世界の幸福度ランキングによると、世界で最も幸せな国の上位5カ国のうち4カ国はこの地域の国々が占めています。そうした点を踏まえるとスカンジナビアの国々の投資家の目線が内側に向いている事は必然ではないでしょうか。」

最後に改めてThibaultアナリスト聞きました。

ーヨーロッパの投資家の目線は自国や欧州ではなく、既にアメリカへ向いているのでしょうか?

「はい、確かにヨーロッパの70%以上の国々が、実際に自国やヨーロッパではなくアメリカ市場に投資することを選択しています。しかし、重要な事はヨーロッパ最大の経済国は依然として国内での投資に満足しており、まだアンクルサム行きの船に飛び乗ってはいません。」

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