水曜日午前のアジア金市場では、金価格を上昇/下落させるファクターがなかったため、金相場の動きはほとんどなかった。
木曜日12時15分時点(日本時間)における、ニューヨーク商品取引所の12月限金 先物は0.1%上昇の1221.10ドルとなっている。
直近2週間の金相場は、大幅に乱高下することなく小幅推移となっている。
金相場で上昇が抑えられている要因の一つは、ここ数週間の米ドルの強さによるものかもしれない。主要通貨に対する米ドルの強さを表すドル インデックスに変動はなく、97.37ポイントとなっている。
金トレーダーは、11月7~8日に行われたFOMCの議事録発表(30日金曜)に焦点を当てているようだ。この議事録から来年度の利上げ計画についての方針がわかる可能性がある。利上げを行うと低利回り資産である金が下落し、一方ドル相場にとっては下支えとなる。
金相場を動かすその他の要因としては、今週末にアルゼンチンで行われるG20首脳会合でのトランプ大統領と習近平国家主席の会談によって、米中貿易戦争に動きがある場合に考えられる。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs) (NYSE:GS)は月曜日に「ブルームバーグ・ニュースのレポートによると、現在の商品市況はファンダメンタルズを下回る価格水準から回復しており、来年度にかけて上昇する可能性がある」とレポートを発表している。同社は現在の商品相場の低水準を考えると「原油、金、商品全般のロングエントリーの絶好の機会」と考えている。
また、G20首脳会議の不確実性が商品相場を押し下げているが、これも商品相場への「絶好の買い入れ時」と捉えている。
3月銀 先物は0.20%上昇の14.250ドル、3月銅 先物は0.44%上昇の2.748ドルでそれぞれ取引されている。