4月5日までの1週間で予想を上回り原油在庫が増加したことを背景に、11日の原油価格は下落した。
米国 WTI原油先物 は、日本時間木曜日午前2時40分までに64.28ドルへと0.5%下落。
ブレント原油先物は、71.43ドルへと0.4%下落した。
米国エネルギー情報局(EIA)は、原油在庫が4月5日までの一週間で、予想の230万バレル減に対し、703万バレル増となったと発表した。
3週連続で原油在庫は増加しており、3月22日までの週から約1700万バレル増加している。
一方でEIAのレポートによると、ガソリン在庫は予想の201万バレル減に対し、771万バレル減となった。
ニューヨークを拠点とするClipperdata社のアナリスト、マシュー・スミス氏は、“活動は活発化しているものの、製油所は日量90万バレルほど低い状態を維持しており、米国湾岸部においてとりわけ顕著な原油在庫の着実な増加に繋がっている。”とコメントしている。
原油は下落しているものの、価格は過去5ヵ月間で最高水準で取引されている。しかし、ゴールドマンサックス(NYSE:GS)は80ドルに達することはないだろうとみている。
ゴールドマンサックスのコモディティリサーチヘッドジェフリー・クリー氏は今週のCNBCにおいて“再び80ドルの水準に上昇することは考えておらず、アップサイドはそこまで大幅なものではない。”とコメントしている。
また、「市場心理の回復や産油国での混乱は原油価格の上昇を招く可能性はあるが、我々はシェールオイル等の増産によって原油価格は下落すると見込んでいる」とし、「OPECやパーミアン盆地の今後の供給能力を考慮し、我々は来年の原油平均価格は60ドルとの見通しを維持している」と述べている。