[シンガポール 16日 ロイター] - 原油先物価格は16日のアジア時間に下落したが、3カ月ぶりの高値近辺を維持。米中両政府が「第1段階」の通商合意に至ったことを受け、原油需要や貿易フローの押し上げ効果への期待感から下値は限定的となっている。
第1段階の合意では、米国が1600億ドル相当の中国製品に対する関税発動を見送るとともに、既存の関税の一部税率を引き下げる。米側の説明によると、中国は米農産物などの購入を大幅に拡大する。
0101GMT(日本時間午前10時01分)時点で、ブレント先物 (LCOc1)は0.23ドル(0.4%)安の1バレル=64.99ドル。前週末は3カ月ぶりの高値近辺で取引を終了した。
米WTI先物 (CLc1)は0.23ドル(0.4%)安の59.84ドル。
CMCマーケッツの主席市場ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏は「市場は第1段階の通商合意を完全に織り込んだようなので、原油の目先の重要な上値抵抗線を突破するには、さらなるニュースが必要になるだろう」と述べた。
第1段階の合意はまだ正式に署名されていないため、今後詳細な情報が公表されるのを前に、投資家は慎重な姿勢を継続している。