海運業界、国連のCO2削減目標達成に1兆ドル以上の投資必要=調査

Reuters

発行済 2020年01月20日 17:20

更新済 2020年01月21日 18:10

海運業界、国連のCO2削減目標達成に1兆ドル以上の投資必要=調査

[ロンドン 20日 ロイター] - 海運業界が国連の二酸化炭素(CO2)排出削減目標を達成するには、2050年までに代替エネルギーの開発投資が少なくとも1兆ドル必要になるとの調査・研究結果が20日公表された。

世界全体のCO2排出量に占める国際海運の割合は2.2%で、海運業界はCO2やその他の汚染物質の排出削減圧力に直面している。世界貿易の約90%が船舶による輸送に頼っている。

国連の専門機関である国際海事機関(IMO)は、船舶からの温暖化ガスの排出量を2050年までに08年比で半減させる目標を掲げている。この目標を達成するには、温暖化ガスの排出がゼロか低水準の燃料に加え、よりクリーンな技術を用いた新たな船舶設計の開発が必要になる。

今回の研究は初めてコスト面にも踏み込み、2030年から2050年に累計で1兆━1兆4000億ドル、年平均で500億━700億ドルの投資が必要になると推定している。

海運業界が2050年までにCO2排出量をゼロにする場合、20年間にさらに4000億ドル前後が追加で必要になり、投資総額は1兆4000億━1兆9000億ドルとなる。