Reuters
発行済 2020年04月16日 19:28
[ロンドン 16日 ロイター] - 英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル (L:RDSa)は16日、2050年までに温暖化ガスの排出量を「ネット・ゼロ」(排出した分だけ回収して正味でゼロにする)との削減目標を発表、気候変動問題への取り組みを強化する姿勢をアピールした。
同社の新たな削減目標は少なくとも文書の上では、温暖化対策に積極的な英BP (L:BP)やイタリアのENI (MI:ENI)よりも厳しく、石油・ガス業界で最も広範な内容となっている。
シェルのベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は「気候変動問題を巡る議論の中で、社会の期待が急速に変わってきた。シェルは自らの野心的目標をさらに前進させる必要がある。だから2050年までに排出量を正味ゼロにすることを目指す」と述べた。
シェルは2050年までに石油・ガス生産から排出される二酸化炭素(CO2)を完全にオフセットする。
ただ、同社が顧客に販売するジェット燃料やガソリンなどからの排出は目標に含まれていない。顧客がこれらの製品をどのように使うかまではコントロールできないというのが理由だ。
シェルは「2050年までに排出量が正味ゼロとなる企業や産業部門へのサービスに軸足を移す」と説明しており、こうすることで販売する製品からの排出もオフセットできるとしている。
同社の目標は競合他社と違い、生産・精製する製品、他の企業から購入する製品すべてに適用されるという。
シェルは販売するエネルギー製品のCO2排出削減目標も引き上げ、2035年までに約30%、2050年までに約65%の削減を目指す。
これまでは2035年までに約20%、2050年までに約50%の削減を目指すとしていた。
が書いた: Reuters
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