サウジアラムコ、第1四半期純利益は25%減 原油安で

Reuters

発行済 2020年05月12日 17:44

更新済 2020年05月13日 00:45

[ドバイ 12日 ロイター] - サウジアラビアの国営石油大手サウジアラムコ (SE:2222)が12日発表した第1・四半期決算は、ザカート(喜捨)・税引き後の純利益が前年同期比25%減の624億8000万リヤル(166億4000万ドル)と、アナリスト予想を下回った。

新型コロナウイルス流行で需要が減少する中、原油安が響いた。ブレント原油価格は第1・四半期に65%下落した。

エジプトの投資銀行EFGエルメス、サウジのアルラジ・キャピタル、ドバイ拠点のアルカーム・キャピタルの予想平均値によると、アナリストは178億ドルの利益を見込んでいた。

0730GMT(日本時間午後4時30分)時点で、アラムコ株は0.8%高の31.15リヤル。依然として新規株式公開(IPO)価格の32リヤルを下回っている。

アラムコは決算について、「原油価格の下落、および精製・化学品マージンの低下や在庫再評価損失」を反映したと説明。ナセル最高経営責任者(CEO)は発表文で「年内の見通しについて、世界のエネルギー需要と石油価格に対するCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックの影響が利益を圧迫するとわれわれは見込んでいる」とした。

同社はこれまで、2019年第4・四半期について総額134億ドルの配当を第1・四半期に支払ったとしていた。20年第1・四半期の配当187億5000万ドルは「世界のいかなる上場企業の中で最大」であり、第2・四半期に支払うとした。

この金額は、通期で750億ドルの基本配当を支払うとする計画に沿う内容。アナリストはサウジ政府向け配当が削減されると見込んでいるが、アラムコは少数株主への配当支払いを維持する見通し。ただ、同社は将来の配当政策について何ら表明は行っていない。

ナセルCEOは「われわれはこの期間(年内)中に設備投資を減らし、オペレーショナル・エクセレンス(業務の改善・向上策)を推し進めることによってビジネスを強化し続ける。より長期的には、世界経済の回復に連れてエネルギーに対する需要が反転拡大すると確信している」とした。

アラムコは、2020年の設備投資額が250億─300億ドルになると引き続き予想していると表明。21年以降については依然見直し中だ。

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第1・四半期の設備投資は74億ドル。「プロジェクト開発の継続やさまざまな設備の更新のため」前年同期の72億ドルから増えた。

アラムコは第1・四半期、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の減産合意の下、石油生産を日量約980万バレルで維持した。

第1・四半期の営業活動によるキャッシュフローは224億ドル。前年同期は245億ドルだった。