サウジアラムコ、第2四半期は73%減益 需要回復の兆し

Reuters

発行済 2020年08月10日 16:13

[ドバイ 9日 ロイター] - サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ (SE:2222)が発表した第2・四半期決算は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたエネルギー需要の落ち込みや価格下落が響き、73%の大幅減益となった。

ただ、アミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は750億ドルの年間配当計画を維持する方針を示し、世界の石油需要は回復しつつあると述べた。

アラムコは、新型コロナが世界中で急速に拡大したことを受けて原油や天然ガス、石油製品の需要は著しく減少したと指摘した。

ナセル氏は決算発表後の記者会見で、新型コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)が段階的に緩和され、経済活動が再開されるに伴い、エネルギー市場は部分的に回復し、需要は上向いていると述べた。

「中国ではガソリンやディーゼルの需要がほぼコロナ前の水準に達している。アジアやその他の市場で改善が見られる」とし、「各国がロックダウンを緩和するに伴い、需要は増加する見込みだ」と語った。

第2・四半期の純利益は73.4%減の246億リヤル(65億7000万ドル)で、アナリスト予想の313億リヤルを下回った。前年同期は926億リヤルだった。

アルラジ・キャピタルのリサーチ責任者は「アラムコの決算は他の国際石油企業と比べると健全だ。近代石油業界史上最悪の四半期を健全な業績で乗り切ったということは、見通しは非常に明るいことになる」と指摘した。

ナセル氏は、2020年の配当を計画通り支払う意向を示し、「取締役会の承認と市場の状況次第となるが、750億ドルを支払うつもりだ」と述べた。

この年間計画に沿って第2・四半期は187億5000万ドルの配当を支払う。アラムコの配当はサウジ政府の財政運営に重要な役割を果たす。