[北京/シドニー 18日 ロイター] - 中国商務省は18日、オーストラリアから輸入しているワインについて、反ダンピング(不当廉売)調査を開始したと発表した。
同省のウェブサイトに掲載された声明によると、2019年に2リットル以下の容器でオーストラリアから輸入されたワインが調査の対象。2015─19年に中国のワイン産業に及ぼした影響についても調査する。
調査は、 アルコール飲料の業界団体「中国酒業協会」(CADA)が要請。トレジャリー・ワイン・エステーツ (AX:TWE)など豪ワイン生産業者10社に対する調査を規制当局に求めた。
豪産ワインに輸入税が課せられる可能性が嫌気され、トレジャリーの株価は一時、20%下落した。
トレジャリー社は、豪中の当局から情報を求められた場合には協力するとした上で、中国を「最重要市場」とする姿勢に変わりはないと強調した。
中国は豪州産ワインの最大の輸出市場で、豪州の最大の貿易相手国でもある。ただ、豪政府が新型コロナウイルスの発生源について国際的な調査を提案したのを受け、両国関係は悪化している。
中国は最近、豪州産大麦に追加関税を導入し、豪州産牛肉の輸入を一部停止したほか、自国民に対し、人種差別を理由にオーストラリアへの渡航自粛を勧告した。
オーストラリアのバーミンガム貿易・観光・投資相は、電子メールで送付した声明文で「非常に残念であり、困惑している」と語った。
同相はまた、豪がワインの輸出に補助金を付与しているかどうかについても、中国が調査を検討していると明らかにした。「豪産ワインは市場価格を下回る水準で売られていない。輸出に補助金は出ていない」と主張した。
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