サウジアラムコ、複数年限のドル建て債発行でGSなどと契約

Reuters

発行済 2020年11月16日 16:25

更新済 2020年11月17日 00:18

[ドバイ 16日 ロイター] - サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコ (SE:2222)は16日、複数年限のドル建て債券発行に向け、ゴールドマン・サックス (N:GS)やシティ (N:C)、HSBC (L:HSBA)、JPモルガン (N:JPM)、モルガンスタンレー (N:MS)、NCBキャピタル (SE:1180)などと契約した。

証券取引所への提出書類で明らかとなった。

幹事団の1社が明らかにしたところによると、引受シンジケート団の中にはみずほ (T:8411)や三菱UFJ (T:8306)、SMBC日興 (T:8316)の名前もある。●ここまでRIC挿入

発行する債券は3、5、10、30年が各5億ドル超。市況次第で50年債を発行する可能性もあるという。●ここから今回の起債規模の詳細は明らかにしていない。アラムコは昨年、国際債券市場で初の起債を実施し、120億ドルを調達。その際には1000億ドルを超える需要があった。●ここまで

原油安とコロナ禍に見舞われた中東の石油会社は今年、債券市場で多額の資金調達を行っており、年初来の発行額はすでに1000億ドルを突破している。

アラムコは2020年下期に配当375億ドルの支払いを予定。また、石油化学大手サウジアラビア基礎産業公社(SABIC) (SE:2010)の株式70%を691億ドルで取得しており、資金の調達が必要になっている。

ある市場関係者は「投資家が利回りを探し求めている世界では、需要が不足することはないだろう。ただ、原油安の継続や、長期的なキャッシュ創出力への不安が、プライシングに反映されるだろう」と述べた。

リフィニティブのデータによると、アラムコのドル建て既発債(2029年償還)の利回りは16日時点で2.05%。同年限のサウジ国債の利回りをやや上回っている。

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関係筋の1人は、先週ドバイ・イスラム銀行がイスラム債を低コストで発行できたことを挙げ、起債には追い風の環境にあるとの認識を示した。