イラン、アフガンへの燃料輸出再開 タリバンが要請

Reuters

発行済 2021年08月24日 09:39

[ロンドン 23日 ロイター] - アフガニスタンを掌握したイスラム主義組織タリバンの要請を受け、イランが数日前にアフガン向け燃料輸出を再開したことが、イラン当局者の話で分かった。米軍の撤退を受け、タリバンは米経済制裁の対象となっているイラン産原油をより公然と輸入できるとみている。

タリバンによる権力掌握を受け、報復や厳格なイスラム法の適用を恐れる多数の市民が都市部から逃れたことから、同国のガソリン価格は1トン当たり900ドルに達した。

価格上昇に対応するため、タリバンはイランに貿易関係者の往来を維持するよう要請した。

イランの石油・ガス・石油化学製品輸出業者組合の役員で広報を担当するハミド・ホセイニ氏はロイターに対し、「タリバンはイランに『石油製品の輸出を継続してよい』というメッセージを送った」と明らかにした。

メッセージはイランの貿易業者や、政府と緊密なつながりを持つイランの商工会議所に送られたという。

これを受けてイラン税関当局は、アフガンでの貿易取引の安全性を巡る懸念から8月6日以降実施されていた燃料禁輸措置を解除した。

ホセイニ氏によると、タリバンの姿勢によってこうした懸念が和らいだという。

同氏はまた、タリバンがイランなど周辺国からの燃料輸入に課す関税を引き下げたことにも触れ、タリバンが発行した文書をロイターに見せた。

それによると、アフガン周辺国からのガソリン、ディーゼル、LPG(液化石油ガス)の関税は70%割り引くとされている。

<イランとタリバンの協力拡大も>