過去1世紀で最大の独経済改革に着手=独新首相の施政方針演説

Reuters

発行済 2021年12月16日 02:06

[ベルリン 15日 ロイター] - ドイツのショルツ首相は15日、気候変動の抑制とデジタル化への投資を促進し、欧州最大の経済大国のドイツを将来に適合させると訴えた。また、大きな変革に直面する中で、誰も取り残さないと誓った。

ショルツ氏(社会民主党(SPD))は先週、保守のキリスト教民主同盟(CDU)のメルケル氏の後任として首相に就任した。

連邦議会(下院)での初の施政方針演説で、主に国内問題に焦点を当て、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に早急に対応する必要性とともに、経済と社会の両面で近代化するという長期的な任務に言及した。

就任後にパリ、ブリュッセル、ワルシャワを訪問したショルツ氏は、ウクライナでのロシア軍の増強といった安全保障上の脅威に直面する中、欧州連合(EU)を強化し、欧米の同盟国と協力する重要性を強調した。

ショルツ氏は「今後の約23年間で化石燃料から脱却することが必要だ。これは少なくとも過去100年間で最大の産業と経済の転換を意味する」と語った。

ショルツ氏は過去4年間、メルケル前政権で副首相と財務相を務めた。環境推進派の「緑の党」と、リベラルの自由民主党(FDP)との前例のない3党連立政権は「再出発」になると明言した。

ドイツは2030年までに再生可能エネルギーの発電量を倍増させる必要があり、それだけではなく電気自動車の充電所などのインフラも拡大する必要があると説明した。

ドイツの未来への投資の大部分を民間で手掛ける枠組みを設け、新興企業を支援するために銀行の役割を拡大することなども検討している。

ショルツ氏は、このような変革には社会的結束が必須とし、最低賃金を引き上げ、社会をより包含的にする計画を強調した。

ショルツ氏は「我々は移民の国だ。統合のため、より良い国になるように努力する必要がある」とし、政府は外国人がドイツで働くことをより容易にすることを目指すとコメントした。