安保理、26日に北朝鮮制裁決議案を採決 中国は否定的コメント

Reuters

発行済 2022年05月26日 08:41

更新済 2022年05月26日 11:46

[国連 25日 ロイター] - 国連安全保障理事会は26日に北朝鮮による直近のミサイル発射を受けた米国主導の制裁強化案の採決を行う。常任理事国で拒否権を持つ中国は何の問題解決にもならないとの見解を表明した。

北朝鮮は25日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含むミサイル3発を発射した。バイデン米大統領のアジア歴訪が終了したばかりだった。

北朝鮮は今年に入り、相次いでミサイル発射実験を行っており、米国は制裁強化を推進する取り組みを3月末に開始。先月に決議草案を理事会に配布した。15カ国で構成する理事会で決議案を採択するには、ロシア、中国、フランス、英国、米国の5常任理事国が拒否権を行使せず、9理事国が賛成することが必要となる。

米政府当局者は、決議草案について「北朝鮮が違法な大量破壊兵器(WMD)と弾道ミサイル開発計画を進める能力をさらに制限し、制裁の実施を合理化するほか、必要な人々への人道支援提供をさらに促進するもの」と述べた。

中国国連代表部の報道官は「米提案の決議は何の問題解決にもならない」とロイターにコメント。中国は制裁決議の代わりに正式な声明の採択を提案しているとした。

米国は「緊張緩和の最善の方法」を知りながらもそれを使うことに抵抗していると主張した。

ロシアのネベンジャ国連大使は先に、米国の最終案を確認してからコメントすると述べた。同時に、国連の行動は北朝鮮対応に有用だとは思わないと語った。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記はチェーンスモーカーとして知られており、ロイターが入手した米決議案はたばこの禁輸が盛り込まれた。

弾道ミサイル発射の禁止を巡航ミサイルや「核兵器を運搬できるその他の運搬システム」にも適用すると定めた。

また、北朝鮮向けの年間原油輸出の上限を100万バレル減らして300万バレルとし、石油精製品は12万5000バレル減の37万5000バレルとする案も入った。