アジア通貨、打撃は当面続くか FRB動向や中国経済回復が鍵

Reuters

発行済 2022年07月01日 14:44

[30日 ロイター] - 今年下半期にほぼ軒並み下落したアジア通貨について、今週にアナリストやストラテジスト13人に見通しを聞いたところ、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを続ける限り、アジア通貨への圧迫が続くとの声が半数を超えた。アジアの各中銀が先回りして利上げに動き、中国経済が厳しいコロナ感染対策の打撃から回復すれば、ようやく値下がりの一服が見込めるという。それでも短期的には売られがちだとの見方になった。

アジア通貨はここ数週間、何年かぶりの水準に下げている。ほとんどの国にとってはコモディティー高騰や、米国との金利差縮小が弱材料だ。アジアではインフレが欧米よりは比較的抑制。経済成長重視が欠かせない中銀は利上げをためらい、これが中国を除く新興アジア地域からの5か月連続の外国資金流出につながった。世界的な景気後退懸念の高まりもあり、投資家はより高リスクなアジア資産ではなく、ドル資産の選好を余儀なくされた。

台湾ドルや韓国ウォン、フィリピンペソは対ドルで年初来の下落率がいずれも6.8%超。インドルピーは現在、過去最安値に近い。