英中銀、コモディティー市場の分析強化へ リスクと脆弱性見極め

Reuters

発行済 2022年07月05日 20:20

[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は5日、「不透明な」コモディティー(商品)市場について詳細な分析を実施すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受けた商品市場の混乱に際し、リスクや脆弱性の全容を把握できなかったことを受けた措置。

英中銀の金融行政委員会(FPC)は、国内金融システムへのリスクに関する半期報告書で「ロシアによる侵攻後の不確実性の高まりは、商品市場のさらなる混乱という重大なリスクがあることを意味する」と指摘した。

コモディティーの生産業者やサプライヤー、トレーダー、コモディティ・デリバティブ(金融派生商品)への英大手銀行のエクスポージャーは1400億ポンドに上る。融資債権は約1100億ポンドとされる。

英中銀は、各行は商品市場参加者に信用を供給し続けるのに十分な資本を確保しているとした上で、「混乱が長引いて不確実性が高まった場合、銀行は商品市場の参加者に信用を提供する意欲がさらに低下する可能性がある」とした。

ロシアのウクライナ侵攻開始後、ロンドン金属取引所(LME)のニッケル価格が急騰し取引停止の事態となった。