プーチン氏、イラン訪問 最高指導者らやトルコ大統領と会談

Reuters

発行済 2022年07月20日 04:58

更新済 2022年07月20日 13:36

[ロンドン/ドバイ 19日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は19日、イランを訪問し、最高指導者ハメネイ師やライシ大統領と会談した。2月にウクライナへの侵攻を開始して以来、プーチン氏にとっては初の旧ソ連圏外への外遊となった。

トルコのエルドアン大統領が加わった3カ国協議では、シリア情勢を巡る協議が行われた。さらに、プーチン大統領とエルドアン大統領によるウクライナ侵攻後初の直接会談では、ウクライナに滞留する穀物の輸出再開などを巡り協議した。

イラン国営テレビによると、ハメネイ師はプーチン大統領にイランとロシアの長期的な協力を呼びかけ、両国が「西側の偽り」を警戒する必要があると語った。

ハメネイ師は、プーチン大統領がロシアの米国からの「独立維持」を確実にしたとし、貿易で自国通貨の利用を目指す国に支持を表明。「米ドルは世界貿易から段階的に排除されるべき」と述べた。

ウクライナ情勢については、プーチン大統領が「イニシアチブを取っていなければ、相手(西側)が戦争を起こしただろう」とし、ロシア政府には他に手段はなかったという考えを示した。

ライシ大統領もプーチン大統領との会談後、「両国はテロ対策に優れた経験を持ち、これが安全をもたらしてきた」とし、プーチン大統領の訪問が「独立した両国の協力を拡大させることを願う」と述べた。

プーチン大統領のイラン入りに先立ち、イラン国営石油(NIOC)とロシアのガス生産会社ガスプロムは、エネルギー協力に関する約400億ドル規模の了解覚書に調印した。

また、ウクライナからの穀物輸出再開に向け、ロシア、ウクライナ、トルコ、国連の各代表団が今週末にも合意書に署名する見通しについて、プーチン大統領はエルドアン大統領との会談後、「エルドアン氏の仲介によって前進した」と謝意を示し、ロシアとトルコが先週イスタンブールで開かれた4者協議の結果に「満足している」と語った。