IAEA、2日もザポロジエ原発調査 職員の常駐目指す構え

Reuters

発行済 2022年09月02日 05:14

更新済 2022年09月02日 11:54

[ザポロジエ(ウクライナ) 2日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長率いる調査団は1日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所を視察した。専門家数人が残り、2日も調査を行う。グロッシ氏は原発の状況が安定するまで安心できないとし、職員を常駐させる考えを示した。

原発周辺で激しい砲撃が続く中、グロッシ氏が率いる14人の調査団は、予定から数時間遅れて原発に到着。グロッシ氏は視察後「どこに行くつもりもない」と言明し、「IAEAの専門家らが常駐することになる」と語った。同氏は原発から離れたが、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムによると、IAEA職員5人が原発にとどまった。

グロッシ氏は「原発の物理的な完全性が何度も侵害されたことは明らかだ」とし、「こうしたことは継続されてはならない」と述べた。

IAEAによると、2日の調査では原発の物理的な損傷を検証し、安全装置やセキュリティーシステムが機能していることを確認、原発職員の状態もチェックする見通し。グロッシ氏は1日、調査団は視察後に報告書をまとめると述べた。

原発は3月の制圧以降、ロシア軍の支配下にあるが、ウクライナ人職員が運営に従事している。1日も砲撃が原因で原子炉1基が稼働停止を余儀なくされた。ロシアとウクライナは原発周辺の砲撃について相手側が仕掛けていると互いに非難してきた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は原発一帯の「非武装化」とウクライナ人職員による完全な管理が必要だと改めて訴えた。