ロシア空軍2基地にドローン攻撃、ウクライナもロ軍再攻撃で各地に被害

Reuters

発行済 2022年12月06日 06:28

更新済 2022年12月06日 11:55

[キーウ 5日 ロイター] - ウクライナ各地で5日、ロシア軍による新たなミサイル攻撃があり、一部地域が再び停電に見舞われた。一方ロシア国防省は、モスクワ南東リャザニ州と南部サラトフ州の空軍基地2カ所がウクライナのドローン(無人機)に攻撃され、3人が死亡したと発表した。

ウクライナへの再攻撃は数日前から予想されていたものの、これまでに受けたインフラ被害が修復され緊急停電が終了する予定の矢先の出来事だった。この攻撃により、一部地域では気温が氷点下になる中で停電に見舞われた。

ゼレンスキー大統領はこの日、ロシアのミサイル攻撃で少なくとも4人が死亡したと述べた。ロシア軍が発射したミサイル約70発の大半は撃ち落としたとも語った。[nL4N32V2WT]

また「多くの地域で緊急停電を実施する必要がある」とし、「安定回復のために全力を尽くす」と強調した。

米政府は石油・ガス業界の幹部との会議を8日に開き、ウクライナのエネルギーインフラをどのように支援できるかについて協議する見通し。ロイターが関連文書を確認した。

ウクライナのティモシェンコ大統領府副長官によると、ザポロジエ州ではロシアの攻撃で2人が死亡し、複数の住宅が崩壊した。

当局者らは首都キーウ(キエフ)、中部ビンニツァ州、南部オデーサ(オデッサ)州、北部スムイ州のエネルギー施設にも攻撃があったとした。

ウクライナと国境を接するモルドバの警察は5日、ウクライナとの国境付近でミサイルの破片を発見したと発表した。

<ドローン攻撃>

ロシア国防省によると、リャザニ州のジャギレボ空軍基地とサラトフ州のエンゲリス空軍基地がウクライナのドローン攻撃を受け、軍事要員3人が死亡した。その他4人が負傷したほか、航空機2機が軽い損傷を受けたという。

同省は、低空を飛行していた無人機を撃墜したとし、長距離飛行の妨害を目的としたテロ行為だと批判した。3人の死者はモスクワの南東185キロにあるジャギレボ空軍基地で報告されたという。

ウクライナは関与を直接認めていないが、同国が仕掛けたのであれば、2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以来、ロシア深奥部に最も近い攻撃となる。

エンゲルス基地はモスクワの南東約730キロに位置し、ロシアの空輸核戦力を収容する2つの戦略爆撃機基地の1つ。

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米紙ニューヨーク・タイムズはウクライナ政府高官の話として、ロシア国内2カ所の基地にウクライナ領土内から発射された無人機の攻撃があり、そのうち1カ所で航空機2機以上が破壊され、その他の複数の機体が損傷を受けたと報じた。

ウクライナ軍はこれまでに同国南部・東部に及ぶ1100キロの前線をはるかに超えるロシアの戦略的標的を攻撃する能力を高めていることを実証している。

サラトフは最も近いウクライナ国境から少なくとも600キロ離れている。ロシア側からは、ウクライナがロシア国内をそこまで深く攻撃できるなら、モスクワを攻撃することも可能との見方が出ている。