アルゼンチン、全民間旅客便の航空券販売を禁止 コロナ対策強化

Reuters

発行済 2020年04月28日 11:00

[ブエノスアイレス 27日 ロイター] - アルゼンチン政府は27日、同国発着の国際路線と国内線を含む全ての民間旅客便の航空券販売を9月まで禁止すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大を抑止するための渡航制限としては世界で最も厳しい部類に入り、航空業界からは抗議の声が出ている。

同国は3月以来、国境を封鎖する措置を取っているが、新たな政令によって一段と厳しく渡航を制限した。航空当局が署名した政令には販売制限を実施するのが「妥当だと理解されている」と記されているが詳しい説明はない。

南米ではエクアドルやペルー、コロンビアを含む多数の国々が当面の措置として全民間旅客便の運航を禁止しているが、禁止期間がアルゼンチンほど長い国は他にいない。米国、ブラジル、カナダは渡航制限を導入しているが、禁止はしていない。

アルゼンチンのフェルナンデス大統領の報道官は「アルゼンチンへの渡航が認められていないのに航空会社がチケットの販売を行っていたのが問題だった」と説明した。

航空券の販売禁止はアルゼンチンで国内路線を運航する中南米の航空最大手LATAM(ラタム)航空 (SN:LTM)の経営を直撃するとみられる。同社は複数の政府に支援を要請している。